|
スーパーマン・リターンズ
（SUPERMAN RETURNS）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間34分）
監督：ブライアン・シンガー
出演：ブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース、ジェームズ・マースデン、
フランク・ランジェラ、エバ・マリー・セイント、ケビン・スペイシー
＊サロンパス・ルーブル丸の内ほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/supermanreturns/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
クリプトン星の３悪人との戦いに勝利したクラーク・ケントことスーパーマン
（ブランドン・ラウス）。だが、忽然と姿を消してしまう。それから５年後、
再び地球に戻ってきたスーパーマンだったが、宿敵レックス・ルーサーは刑務
所から出所し、かつての恋人ロイス・レインは新たな道を歩み始めていた……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
帰ってきたスーパーマンはスケールのデカい王道のエンタメ映画
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
誰もがみんな知っているアメコミヒーローのスーパーマンが、1987年の『スー
パーマン４／最強の敵』以来約20年ぶりに復活！ ただし、今回は前シリーズ
２作目の『スーパーマン２／冒険篇』の続編というスタイルをとっています。
前の作品で失踪したスーパーマンが５年ぶりに地球にリターン。再び人々のた
めに働くものの、宿敵レックス・ルーサーがまたしても恐ろしい陰謀を企む。
一方、スーパーマンのかつての恋人ロイス・レインは子どもを抱え、同じ新聞
社勤務の男と暮らしていた……というのが物語のスタート。
スーパーマンという存在自体、ある意味「ありえねぇ〜」のですから、何でも
アリで色んなことができるのがこのシリーズ。その利点を生かして、「これで
もか！」とお楽しみのシーンを連続させます。ハラハラドキドキもたっぷり。
「スーパーマン危機一髪！」の場面も当然あります。
前半は飛行機を使ったスペクタクル、後半はさらにスケールのデカいスペクタ
クルで、まさにエンタメ映画の王道を行くようなド派手なシーンの波状攻撃。
最新技術を駆使した映像はかなりの迫力です。
物語の基本はスーパーマンＶＳレックス・ルーサーという正義と悪との戦い。
それと並行して、すでに別の男と暮らしている人妻ロイス・レインと超人スー
パーマンとの道ならぬ恋、消すに消せない愛の炎、やるせな〜いラブ・ロマン
スも展開します。とはいえ、そのロマンスがあんまり切なくないのはどうして
だ？？？？
やっぱり主演のブランドン・ラウスが微妙な演技ができないんだよねぇ〜。そ
こが、イマイチかなぁ〜。ただし、ロイス・レイン役のケイト・ボスワースは
まずまずの演技だし、彼女が靴を脱いでスーパーマンのつま先に乗って空を飛
ぶところなど、演出の繊細さが光るので、それなりには楽しめますけどね。
それに、ブランドン・ラウスはスーパーマンとしてのたたずまいが素晴らしい。
クリストファー・リーブにも負けないぐらいのヒーロー感が漂います。
ブライアン・シンガー監督（『Ｘ−ＭＥＮ』シリーズ）はもともとスーパーマ
ン・ファンらしく、過去の作品のエッセンスもきちんと盛り込んでいます。以
前、父役だった故マーロン・ブランドの登場なんて、昔からのファンなら、た
まらないのでは？
レックス・ルーサー役のケヴィン・スペイシーもいいですねぇ〜。『アメリカ
ン・ビューティー』でアカデミー主演男優賞を獲得するなど、演技派として知
られる彼ですが、スキンヘッドの超ワルで、しかも肝心のところはおマヌケと
いう典型的な悪役をキッチリと演じています。演技派が演じる悪役って、どう
してこう輝くんでしょう。
ラストは親から子へと受け継がれる魂を刻んだ、スケールの大きな結末。スー
パーマンはけっして途切れることのない、永遠不滅の物語なのかもしれません。
残念なのは、「スーパーマンがすべての悪を退治できるはずもなく、人間自身
で何とかせねばならんのではないか！」とか「ヒーローなんて必要ないのでは
ないか！」といったテーマがチラチラ出てくるのに、それ以上な〜んにも突っ
込まないところ。エンタメ映画だからしょうがないんだろうけど、中途半端に
投げ出されると気持ちが悪い。もはや単純ストレートなヒーローなんて信じら
れない時代だけに、そのへんをもうちょとエグって欲しかった気がします。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（エンタメ映画としてはまずまず。あんまり期待しすぎずにド派手な映像など
を楽しんでください。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年８月19日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後３時の回
[「す」のページ] |