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スイートリトルライズ
（2009年 日本）（上映時間1時間57分）
監督：矢崎仁司
出演：中谷美紀、大森南朋、池脇千鶴、小林十市、大島優子、安藤サクラ、黒
川芽以、風見章子
＊シネマライズほかにて公開
ホームページ http://www.cinemacafe.net/official/sweet-little-lies/
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＜ストーリー＞
テディベア作家の瑠璃子（中谷美紀）とＩＴ企業に勤める聡（大森南朋）は、
結婚３年目の夫婦。一見幸せそうに見える２人だったが、いつしか心はすれ違
い、お互いに孤独を感じていた。そんなある日、瑠璃子の前に非売品のベアを
譲ってほしいと懇願する青年・春夫（小林十市）が現われる。彼に惹かれてい
く瑠璃子。一方聡も、大学の後輩しほ（池脇千鶴）と再会し、彼女の積極的な
アプローチに心が揺れ動くのだが……。
＜レビュー＞
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江國香織原作による１組の夫婦の微妙な関係性のドラマ
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江國香織の同名小説の映画化。１組の夫婦を描いたドラマです。
テディベア作家の瑠璃子とＩＴ企業勤務の聡。一見、幸せそうな夫婦ですが、
結婚３年目を迎えて微妙にすれ違いが生まれています。お互いに家にいるのに
携帯電話で連絡を取り合ったり、まったく会話がかみ合わなかったり……。
『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督による繊細な心理描写が、
奇妙な夫婦の関係をより鮮明に映し出します。夫と妻それぞれの心理を、ちょ
っとした表情の変化やしぐさで表現。独特な透明感のある映像も魅力的です。
やがて妻はベアを譲ってほしいという青年と知り合い深い関係に。一方、夫も
大学の後輩と再会して、積極的なアプローチを受けて深い関係に。というわけ
でダブル不倫なのでありました。
それ以降はたいしたことは起きません。基本的に夫と妻、それぞれの不倫ドラ
マが展開するだけ……。
まあ、もちろん「だけ」ってことはないんですけどね。秘密だの、ウソだの、
孤独だの、死だの、恋だの、いろんなキーワードを散りばめて、夫婦の関係性
を描き出しているのですが、何だかとっても消化不良。「それで結局、あんた
何が言いたいの？」てな感じです。「夫婦は心がつながっていればいい」とい
う陳腐なメッセージでもないでしょうし。
特に妻が抱えた孤独や心の闇を、きちんと描いてくれなかったのが残念です。
海辺の心中死体や犬の死など、夫婦それぞれの心理に大きな影響を与えそうな
ネタも、あまり効果的に使われているとは思えません。
演出はともかく、脚本に問題があるのではないでしょうか。どうも原作にとら
われすぎているように思えます。文学の魅力と映画の魅力はまったく別物です
からねぇ。そういえば、セリフも何だか映像とは似合わない上っ滑りなセリフ。
結末も不満です。正直「なんじゃそりゃ？」てな感じ。ああいう終わり方なら、
最初から不倫なんてしないでしょ。あの夫婦。うーむ、どうにも納得がいきま
せん。
夫婦を演じた中谷美紀、大森南朋は微妙な関係をそれなりに演じていましたが、
妻の不倫相手の小林十市はどうなんでしょう？ あの妻があそこまで熱を上げ
る相手には見えませんでしたね。孤独を癒してくれる相手なら誰でも良かった
のか！？（笑）
夫の不倫相手の池脇千鶴は、個人的に大好きな女優さんですが、なんだかちょ
っと太めになってませんか？ そういう設定で役作りしたのかしら……。ま、
相変わらず魅力的ではありますが。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（残念ながら個人的にはかなり物足りない映画でした。演出はともかく脚本が
……。それでも原作の小説のファンならそれなりに楽しめるかも。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年3月18日（木）シネマライズにて。午後2時25分の回
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