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チーム・バチスタの栄光
（2007年 日本）（上映時間2時間）
監督：中村義洋
出演：竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、玉山鉄二、井川遥、田口浩正、
田中直樹、 佐野史郎、野際陽子、平泉成、國村隼
＊日劇ＰＬＥＸほか東宝系にて全国公開
ホームページ http://www.team-b.jp/
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＜ストーリー＞
東城大学付属病院では、天才外科医・桐生（吉川晃司）をリーダーとする７人
の"チーム・バチスタ"が、難しい手術で驚異的な成功を記録していた。ところ
が、３例続けて手術中に患者が死亡。病院長は心療内科医の田口（竹内結子）
に内部調査を命じるが、彼女は単なる事故だと結論付ける。だが、そこに厚生
労働省の役人、白鳥（阿部寛）が現れて……。
＜レビュー＞
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ハジケた笑いと緊迫の手術シーンが見ものの医療ミステリー
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現役医師の海堂尊によるベストセラー小説を映画化した医療ミステリーです。
医者で稼いで印税ガッポリ、おまけに今度は映画化権料ですか。うらやましい
（笑）。
拡張型心筋症に対する手術で成功率60％といわれるバチスタ手術。それを次々
と成功させてきたのが、天才外科医・桐生をリーダーとする東城大学付属病院
のチーム・バチスタの７人。ところが、３例連続して手術中に患者が死亡。そ
こで病院長は心療内科の田口に調査を命じる……。
主人公の田口は医師。しかし、診療内科医として患者の愚痴を聞くのが仕事で、
外科のことなどまったくわかりません。この設定が効果的。彼女が観客と同じ
目線で、外科の難しい知識を少しずつ勉強していくので、とてもわかりやすい
話になっています。
原作では田口は男ということですが、それを女性にしたのも正解。竹内結子の
ノホホンとした感じが良いスパイスになって、ギスギスしがちな話にゆとりを
持たせています。
前半は、彼女がチーム・バチスタのメンバーを１人ずつ事情聴取していきます。
リーダー桐生の義弟でサポート役の病理医・鳴海、看護婦の大友、麻酔医の氷
室などなど。いずれもユニークな個性の持ち主で、誰が犯人でもおかしくない
雰囲気です。
本筋はシリアスなサスペンスなのに、全編が笑いに包まれているのがこの映画
の魅力。田口が聴取相手を動物にたとえて可愛らしいイラストにするところな
ど、笑いどころが満載です。
中盤になると今度はバチスタ手術が成功し、田口の調査も真相不明のまま終了。
ところが、そこにやってきたのが阿部寛演じる厚生労働省の役人。これがムチ
ャクチャなヤツで、「調査は終わっていない！」と主張して、とんでもない方
法でメンバーたちを再聴取していきます。あまりのデタラメぶりには、ただ笑
うしかありません。
田口の登場によって笑いはさらにヒートアップ。ミステリーとしての謎解きよ
りも、むしろ笑いのほうが目立ちます。
同時に見ものなのが、息を飲むような手術シーン。当然ながら医学関係者が指
導しているのでしょうが、そのリアルさには驚かされます。バチスタ手術とい
うのは、一度心臓を止めて手術します。そして終わったら再び心臓を動かす。
その再鼓動の瞬間の緊張感は凄まじいものです。まるで自分が手術室にいるよ
うな気分になってしまいました。
そして、ついに事件の真相が明らかに……。な〜んだやっぱり。予想通り「あ
の人」が原因だったんじゃないですか。これはつまらないオチですねぇ。
と思ったら、そこからまたもうひとネタ。実は真犯人が別にいて、あらららら
らら。ふーん、そうだったの。やや唐突な感じはするものの、まあこのテのサ
スペンスのオチとしては妥当なところでしょうか。
竹内結子、阿部寛以外の役者も、みんな役柄にピッタリ。特に看護師役の野際
陽子がいい味を出してますね。
事件の背景となる人間ドラマにはあまり観るべきものがないし、サスペンスと
しての謎解きもイマイチ。
とはいえ、笑いと緊張感とのバランスが絶妙で、エンタメ映画としては十分合
格点。原作を知らない人でも、素直に楽しめる映画です。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（楽しい笑いと緊迫の手術シーン。謎解きの面白さや人間ドラマにあまり期待
し過ぎなければ、文句ナシに楽しめるはず。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年2月9日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時の回
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