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ザ・バンク 堕ちた巨像（THE INTERNATIONAL）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間57分）
監督：トム・ティクヴァ
出演：クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー＝ス
タール、ウルリッヒ・トムセン、ブライアン・F・オバーン
＊丸の内ピカデリー1ほかにて全国公開
ホームページ http://www.sonypictures.jp/movies/theinternational/
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＜ストーリー＞
インターポール捜査官ルイ・サリンジャー（クライヴ・オーウェン）は、ニ
ューヨーク検事局のエレノア・ホイットマン（ナオミ・ワッツ）とともに、巨
大銀行IBBCの違法行為について捜査していた。世界各地を飛び回って、内部告
発者や情報提供者と接触するサリンジャー。だが、手がかりとなる人物が次々
に暗殺されてしまい……。
＜レビュー＞
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銀行の悪事をめぐるノンストップの緊張感と迫力のアクション
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銀行っていったいなに？ 庶民にとっては、お金を預けているところだったり、
ローンを借りたりしているところだったりするわけですが、マネーロンダリン
グなどの悪事に手を染めている銀行もあったりして、その実態はイマイチよく
わかりません。特にグローバル化した今の時代は。
そんな現在の銀行をめぐる事情を背景に展開されるサスペンス・アクションが
本作。クライヴ・オーウェン扮するインターポール捜査官が、ナオミ・ワッツ
扮するニューヨーク検事局のスタッフなどと協力して、巨大銀行の違法行為に
迫っていきます。
見どころは、全編に漂うすさまじい緊張感。オープニングの捜査官と銀行関係
者の接触場面からラストに至るまで、『ラン・ローラ・ラン』『パフューム
ある人殺しの物語』のトム・ティクヴァ監督による演出・映像が冴えまくり、
緊張感がほとんど途切れません。
正義が悪に迫るという物語の構図は単純ですが、なにせスケールが巨大。ベル
リン、パリ、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨークなど世界各地を舞台に、
さまざまな組織や人物が入り乱れる展開。せっかく主人公たちが証拠をつかみ
かけても、重要な人物や証拠が次々に消されて、摘発のチャンスを逃してしま
います。
それでも、ひたすら正義を貫こうとする主人公たちの姿は、ともすれば滑稽に
見えてしまいがち。しかし、圧倒的な緊張感とスピーディーな展開のおかげで、
それを感じさせません。何度も絶望を味わい、悲壮感を漂わせながら突き進む
クライヴ・オーウェンの演技も見応えあり。
そして、圧巻なのが後半で登場するグッゲンハイム美術館での銃撃戦。らせん
状のユニークな形状の美術館を効果的に使って、怒涛の銃撃戦が展開されます。
ここは最近の映画の銃撃戦の中でも必見の場面。
やがて、どんなことをしても、まともには立ち向かえないと知った主人公が下
すある選択。昔の映画だったら、文句ナシに正義が勝利するスカッと痛快な結
末に向かうのでしょうが、今の時代はそうはいきません。ラストは屈折した苦
い終わり方。痛快な気分になることはありませんが、リアリティは十分に感じ
られます。そして、エンドタイトル前に語られるように、彼らの戦いはまだま
だ続くのです！！！
さすがに、これだけ大がかりな話だと、登場人物などわかりにくいところがあ
るのが欠点でしょうか。都合よすぎる展開もあったりしますが、見応えは十分。
少しも途切れない緊張感と迫力のアクションシーンで、なんだかとっても長い
映画を観たような満腹感なのでした。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（今の時代らしい犯罪劇。ノンストップの緊張感と怒涛のアクションシーンで
最後まで見応えタップリ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年4月4日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時の回
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