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ディパーテッド（THE DEPARTED）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間32分）
監督：マーティン・スコセッシ
出演：レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、
マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ヴェ
ラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン
＊サロンパス ルーブル丸の内ほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/
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＜ストーリー＞
マサチューセッツ州ボストン。マフィアのボス、コステロ（ジャック・ニコル
ソン）によって育てられ、スパイとして警察に送り込まれたコリン・サリバン
（マット・デイモン）は、マフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され
る。一方、同じ警察学校に学んだビリー・コスティガン（レオナルド・ディカ
プリオ）は、その優秀さを買われ、コステロのもとへ潜入する極秘任務を命じ
られる。二重生活を送る２人は、やがて窮地に追い込まれていく……。
＜レビュー＞
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オリジナルの香港ノアールとはまったく異質なギラギラしたサスペンス
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アンディ・ラウとトニー・レオンが共演した香港のフィルム・ノワール『イン
ファナル・アフェア』のリメイク版です。
警察に潜入したマフィアと、マフィアに潜入した捜査官、それぞれの運命を描
くという設定は同じ。その他のエピソードもけっこう似ていて、まさに「いい
とこ取り」の映画といえるでしょう。
ただし、映画のタッチは全く違います。オリジナルは全体を暗いムードが包む
哀愁に満ちた映画でした。主人公の２人の男の姿にも哀愁が……。人間の業と
か、善悪といった深いテーマも秘められていました。
しかし、この映画はいかにもハリウッド映画らしい作品。ワイルドでヘビーで
ギラギラした雰囲気が漂います。
マフィアのボスにジャック・ニコルソンを起用した時点で、この映画のタッチ
は決まってしまったのかもしれません。あのキレ方には狂気に近いものがあり
ます。レオ様演じる潜入捜査官を痛めつけるシーンなんて、あまりにもリアル
でこっちまで痛くなりそう。このコッテリ演技が、映画全体を完全に支配して
いるのです。
おまけに監督がマーティン・スコセッシだから、重厚さとリアルさがますます
高まります。ボストンという地域性を強烈に打ち出し、人種問題やギャング同
士の抗争、警察とＦＢＩの反目などを背景に描くのも、これまたスコセッシ監
督らしいところ。
スリリングで力強い映像も魅力的です。ローリング・ストーンズの「ギミー・
シェルター」をバックにジャック・ニコルソンが登場する冒頭のシーンなんて、
実にカッコいいです。
レオ様とマット・デイモンの対決も迫力満点。特にレオ様については、潜入捜
査官としての焦り、苦しみなどがけっこう的確に描かれています。
後半は事態が急展開し、一段と緊迫感が高まります。そして、衝撃の結末へ！
しかし、まあオリジナルを観てしまっている目には、残念ながらそれほど衝撃
的には映らず……。
人間の業さえ感じさせる哀愁漂うオリジナル版。ギラギラしたコッテリ味のリ
メイク版。設定やエピソードは同じなれど、まったく違う映画になってしまい
ました。好き嫌いは人によって分かれそうです。
で、筆者はどちらが好きかといえば、やっぱりオリジナルのほうを評価します。
もちろんこのリメイク版も、それなりにおもしろいし、よくつくられてはいる
のですが、オリジナルのような余韻や深みはあまり感じられませんでした。良
くも悪くもハリウッド映画。その分、誰にでも楽しめるのでしょうけど……。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（おもしろいのはおもしろいけれど、オリジナルに比べると……。レオ様やマ
ット・デイモンのファンには間違いなくオススメですが）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年1月21日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時15分の回
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