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トラブル・イン・ハリウッド（WHAT JUST HAPPENED）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間44分）
監督：バリー・レヴィンソン
出演：ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、キャサリン・キーナー、ブ
ルース・ウィリス、ジョン・タトゥーロ、ロビン・ライト・ペン、スタン
レー・トゥッチ、クリステン・スチュワート、マイケル・ウィンコット
＊シネマアンジェリカほかにて公開。順次全国公開。
ホームページ http://www.tih-movie.com/
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＜ストーリー＞
映画プロデューサーのベン（ロバート・デ・ニーロ）は、自分がプロデュース
したショーン・ペン主演の新作映画が試写会で悪評を浴び、映画会社の女社長
ルー（キャサリン・キーナー）から再編集するように命じられる。だが、監督
のジェレミー（マイケル・ウィンコット）は納得しない。一方、クランク・イ
ン直前のブルース・ウィリス主演の映画では、ブルースが役のイメージと違う
ヒゲと太目の体型で現れトラブルになる。私生活でもトラブルを抱えるベンは
崖っぷちに立たされるのだが……。
＜レビュー＞
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面白くてやがて哀しきハリウッドの内幕劇
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ハリウッドの映画業界の内幕をシニカルに描いたコメディ。過去にもこの手の
映画はあったし、けっして驚くような話が飛び出すわけではありませんが、主
演のロバート・デ・ニーロをはじめとする豪華キャストと『レインマン』のバ
リー・レヴィンソン監督のキレのいい演出で、十分に楽しませてくれます。
主人公は、雑誌で映画プロデューサーベスト30にも選ばれたベン。2週間の間に、
彼の周辺で起きる出来事を描いています。
まずショーン・ペン主演でカンヌ映画祭でのプレミア上映も決まっている新作
映画を試写会にかけたところ、ラストシーンに対して観客が非難ごうごう。映
画会社の女社長が再編集を命じるものの、監督のジェレミーは反発して大騒動
に。
一方、クランク・インを目の前にしたブルース・ウィリス主演の映画では、ブ
ルースが役のイメージと違う、ヒゲと太目の体型で撮影現場に現れたものだか
らさあ大変。出資した映画会社の社長は、ヒゲをそらなければ撮影中止と迫り、
ベンはブルースを説得するものの相手にされず。そこでブルースのエージェン
トに説得を託そうとするものの、こちらも頼りにならず。
さらにベンには私生活にもトラブルがあり、離婚した二番目の妻と復縁を望む
ものの思うようにいかず、最初の妻との間の娘の態度も何だか変……。
原作＆脚本が本物の有名プロデューサーということで、説得力はバツグン。個
性的な人々の間を取り持って、どうにか丸く収めねばならないプロデューサー
の右往左往ぶりが笑いを誘います。
登場人物のキャラクターが秀逸。ロバート・デ・ニーロ演じるプロデューサー
の憔悴ぶり、ブルース・ウィリスのワガママ＆大暴れっぷり、再編集を命じら
れたショーン・ペン主演作の監督（マイケル・ウィンコット）のぶち切れっぷ
り、ジョン・タトゥーロ演じるエージェントのダメダメぶりなど。劇中の映画
に登場するショーン・ペンに加え、主人公の元妻役で彼の妻のロビン・ライ
ト・ペンが登場するのも面白いところ。スパイスの効いたキャスティングです。
過去の名作など映画に関する小ネタもいくつか登場します。ブリュネル監督の
好きな映画は『アモーレス・ペロス』、苦境に追い込まれたベンが聴くのはエ
ンニオ・モリコーネ作曲のウエスタンのテーマ曲などなど。
クライマックスは、カンヌのプレミア上映。そこで起きるのは思いもしない出
来事。再び輝かしい道へ……と思ったはずのベンですが、事態はとんでもない
方向に進んでいきます。このあたり、監督の意向を無視してでも、ウケねらい
に走ろうとする映画会社へのあてつけか？と思ってしまうような展開。最後の
最後まで笑わせられました。
ハリウッドならではの映画業界内幕劇。業界人たちが「バカだなぁ。オレた
ち」と自分たちを笑ってしまっているのが、なんとも楽しいところ。しかも、
観終わると、そこはかとない哀しみさえ感じられるのでした。ハリウッドの人
たちも大変なのねぇ〜。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（ハリウッドならではの内幕もの。映画業界のことを知らなくても楽しめます。
豪華キャストの演技も見もの。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年6月29日（火）京橋テアトル試写室にて。
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