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東京島
（2009年 日本）（上映時間2時間9分）
監督：篠崎誠
出演：木村多江、窪塚洋介、福士誠治、柄本佑、木村了、染谷将太、山口龍人、
テイ龍進、 サヘル・ローズ、鶴見辰吾
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開
ホームページ http://tokyo-jima.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
結婚20周年を記念した世界一周クルーズの旅の途中で嵐に遭い、夫の隆と共に
無人島に漂着した清子（木村多江）。やがて、島には与那国島でのきついバイ
トから逃げ出して遭難した日本人のフリーター集団16人が新たに流れ着く。彼
らは、その島を「東京島」と呼ぶようになった。そんなある日、隆が崖から転
落死を遂げる。その一方で、島で唯一の女性の清子は男たちに大事にされ、女
王のような扱いを受けるのだが……。
＜レビュー＞
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女性のたくましさが伝わるサバイバル・エンターティメント
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桐野夏生の同名小説の映画化。
ヨットで世界一周旅行に出かけた夫婦が遭難して、無人島へ流れ着く。そこに
若い男たちが漂着してくる。まもなく夫が亡くなり、妻の清子はある若い男と
暮らすようになる。だが、その男も死に、今度はくじ引きで彼女の夫を決める
ことになる。そんな中、島には新たに中国人たちが漂着して……。
話の大筋はほぼ原作どおりです。ただし、さすがに小説は長いので、細かなエ
ピソードはかなりカットされています。
それより何より原作と違うのは、ギトギトした感じがなくなっていること。原
作は、人間の嫌な面がかなり前面に出てきますが、映画はそれほどでもありま
せん。性的な要素も原作に比べて薄まっていて、むしろ食欲が人間の本性とし
て前面に出ています。
全体的に原作のような深みはありません。その分、エンターティメントとして
見やすい映画になっています。ユーモアが大きな要素になっていることも、そ
うした傾向に拍車をかけています。
原作とはタッチが違うものの、主人公清子のしたたかさやたくましさは十分に
伝わってきます。島でたった一人の「女」を武器に、自分の地位を高め、生き
延びようとする清子を木村多江が好演。『ぐるりのこと。』で、その演技力が
高く評価されましたが、ますます磨きがかかっています。彼女が出演したから
こそ、これだけの映画になったのだと思います。
一方、彼女を取り巻く男たちの中では、亀の甲羅を背負った窪塚洋介のキレた
演技が見もの。
ラストもほぼ原作どおり（サヘル・ローズ演じるイラン人女性が登場するあた
りは、微妙に違いますが）。最後まで清子のたくましさが際立ちました。
原作を薄味にしてそつなくまとめた感じの映画。原作を読んでいてもいなくて
も、「サバイバル・エンターティメント」として誰でも楽しめる映画になって
います。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（原作とは違う雰囲気ですが、別物のエンターティメントとして楽しめば、そ
れなりに面白いのでは？）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年8月29日（日）シネ・リーブル池袋にて。午後2時5分の回
[「と」のページ] |
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