|
トロピック・サンダー／史上最低の作戦（TROPIC THUNDER）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間47分）
監督：ベン・スティラー
出演：ベン・スティラー、ロバート・ダウニー・Jr.、ジャック・ブラック、ニ
ック・ノルティ、スティーブ・クーガン、ジェイ・バルチェル、ダニー・マク
ブライド、ビル・ヘダー、ブランドン・T・ジャクソン
＊丸の内ピカデリー１ほかにて全国公開
ホームページ http://www.shijosaitei.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
ベトナム戦争を舞台にした戦争映画"トロピック・サンダー"の撮影現場。３人
のスター俳優のワガママにより、撮影は大幅に遅延。出資者を激怒させた監督
のコックバーンは原作者テイバックの助言により、俳優たちをだましてジャン
グル奥地に連行し、ゲリラ撮影を敢行する。だが、そこは凶悪な武装麻薬組織
の拠点だった……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハリウッドをパロッた！ 戦争映画がネタの底抜け爆笑のオバカ・コメディ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハリウッドの映画製作現場をはじめ映画業界をからかった、あまりにもオバカ
すぎる映画。ここまで徹底してオバカだと、もうただ感心するしかありません。
監督＆主演に加え、製作・原案・共同脚本も兼ねたベン・スティラーの手腕に
脱帽です。
オープニングから大爆笑。映画の予告編が何本か流れます。アクション、オバ
カコメディ、感動のヒューマンドラマ……。どれも、いかにもという感じです
が（製作した映画会社も）、実はこれ全部架空の映画。
これらの映画に出演していた、落ち目のアクション俳優タグ・スピードマン
（ベン・スティラー）、演技派のあまり黒人に成りきるため手術で皮膚を黒く
したやりすぎ男カーク・ラザラス（ロバート・ダウニー・Jr.）、そしてヤク中
のお下品コメディアンのジェフ・ポートノイ（ジャック・ブラック）という３
人が揃って出演する戦争映画"トロピック・サンダー"の撮影現場がこの映画の
舞台。
わがままな３人をまとめきれない監督。おかげで撮影は遅れて予算オーバー。
困った監督は原作者のベトナム帰還兵の進言により、３人をジャングルの奥地
にだまして連れて行き、そこでゲリラ撮影を敢行します。ところが、なんと、
そこは麻薬組織のテリトリーだったから、さあ大変……。
ジャングルに着いたとたんに、地雷で監督の頭がぶっ飛び、それも撮影だと信
じ込んだダグが、「これはつくりものだ」と生首の中に手を突っ込むアホアホ
なシーン。こんなオバカ＆オゲレツな笑いがギッシリ詰まった映画。「くだら
ねぇなぁ〜」と思いながらも、ついつい笑ってしまいます。おいおい、パンダ
まで殺しちゃってどうするの？
映画ネタが満載なのも楽しいところ。戦争映画をはじめ数々の名作をパロッた
り、撮影の裏側を見せたり。映画ファンにはたまりません。俳優同士がまじめ
に演技論を交わしたりするところでは、「うーん、なるほど」と思ったりもし
たのですが、結局最後はオバカに逆戻り。このへんの細かな押し引きも楽しい
ところ。
物語は、一人だけ撮影を続行したダグが麻薬組織に捕まり、それを他の人々が
救出するというハリウッド・アクションの王道のような展開。ジェフがヤク中
の本性を発揮したり、カークが意外なところで演技力を発揮したりと相変らず
笑えるシーンが続くものの、それだけではありません。クライマックスを中心
に、本物の戦争映画顔負けの大迫力シーンが展開。コメディ映画とはいえ、ま
ったく手を抜きません。
３人の役者も、それぞれ個性を発揮。どの役も「もしかしてあの役者を意識し
てる？」と思わせたりするのが、なおさら楽しいところ。
そして、最後の最後に大サプライズ。実は、この映画では意外な大物スターが
大活躍していたんです。うーん、これは言っちゃいけないのかな？でも、まあ
いいや。『Ｕ−571』とか、『ミッション：インポッシブル』とか、そのあたり
の関係者がカメオ出演。もうビックリです。
最初から最後まで笑いっぱなしの映画でした。ハリウッドが自分たちをここま
で茶化すんだからスゴイ。それだけ余裕があるってことなのだろうか……。
《ぽちの満足度》
★★★★☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（オバカで笑える映画。しかも映画ネタ満載。とくれば映画ファン、特にコメ
ディ好きは必見でしょう。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2008年11月23日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時15分の
回
[「と」のページ] |