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ウルトラヴァイオレット（ULTRAVIOLET）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間27分）
監督・脚本：カート・ウィマー
出演：ミラ・ジョヴォヴィッチ、キャメロン・ブライト、ニック・チンランド、
ウィリアム・フィクトナー
＊渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.sonypictures.jp/movies/ultraviolet/
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＜ストーリー＞
21世紀末、新種ウィルスが蔓延し、感染した人間は超人的な知能と運動能力を
身につけた"ファージ"に変身した。その力を恐れた人間政府は、彼らを抹殺し
始めるが、ファージは地下組織を結成、政府と激しい抗争を繰り広げる。やが
て政府はファージ絶滅の切り札となる最終兵器の開発に成功。その情報をキャ
ッチしたファージたちは、かつて最愛の家族を政府に奪われ、復讐に燃える最
強の戦士ヴァイオレット（ミラ・ジョヴォヴィッチ）を送り込む。彼女は最終
兵器の入ったトランクを盗み出すが……。
＜レビュー＞
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ミラ・ジョヴォビッチの鮮やかなアクションが炸裂する近未来ＳＦ
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オープニングを観て、てっきりアメコミの映画化作品かと思ってしまったので
すが、どうも違うようです。しかし、つくりは完全にアメコミ風のＳＦアクシ
ョンです。
新種のウィルスに感染し、「ファージ」と呼ばれる超人的な存在になった人々
と、彼らを抹殺しようとする人間たちが抗争を展開。政府は最終兵器の開発に
成功する。それを奪うために、ファージの殺し屋ヴァイオレットが送り込まれ
る……。
ということで、ポイントになるのは抗体を持つとされる９歳の少年。その子を
めぐって、ミラ・ジョヴォビッチ演じる殺し屋が、ダクサス率いる政府勢力
（人間たち）、自分を送り込んだファージの地下組織などと激しいバトルを展
開するのです。
まあ荒唐無稽なＳＦなのでリアリティーなんてありゃしないのですが、それで
もヴァイオレットが、かつて政府によって夫を奪われ、子供を中絶させられた
という暗い過去を持つ女という設定にして、ストーリー展開にそれなりの説得
力を持たせています。
でもって、やはり見どころはノンストップアクション！！！ ほとんど息をつ
くヒマもなく、ド迫力のアクションが炸裂します。小難しい時代背景や、ヴァ
イオレットの過去などを最初の５分ぐらいでチャチャッと説明しちゃって、あ
とはほとんどアクションなんですから。
特にヴァイオレットのけれん味タップリのアクションは魅力十分。チャンバラ
のような剣さばき、カンフーのようなバトル、スピーディーなガンアクション、
バイクに乗ってのアクションなど、どれも目が離せません。
あまりの颯爽とした人の殺し方を観ているうちに、なんだか『キル・ビル』の
ユマ・サーマンを思い出してしまいました。これってＳＦ版『キル・ビル』？
さっきも言いましたが、リアリティーはほとんどありません。ラストの展開も
強引といえばあまりにも強引。しかし、このテの映画に、とってつけたような
人間ドラマを持ち込むよりは、このぐらい徹底してリアリティーを追及しない
ほうが、かえって心地よいから不思議なもの。
ちょっとＣＧっぽい感の映像も、一風変わっていておもしろいですねぇ〜。近
未来都市や、登場するユニークなアイテムなども、いかにもＳＦらしくて楽し
いところ。
ミラ以外はそれほど有名な俳優は出演していませんが、敵役のニック・チンラ
ンド、主人公をサポートするウィリアム・フィクトナー、少年役のキャメロ
ン・ブライトなど、どれもなかなかのキャスト。
監督は同じようなＳＦアクション『リベリオン』でデビューしたカート・ウィ
マー。このテの作品はお手のもの。というより、こういうのしかつくれないの
かも……。
人間ドラマなんてほとんど描かれていないし、どうってことのない映画ですが、
鮮やかなアクションとミラのコスプレ（そんなにおヘソが見せたいか？）など、
けっこう楽しさにあふれています。ヒマつぶし程度には、それなりに満足でき
る映画ではないでしょうか。観ても何にも残らないし、わざわざ観にいくほど
の映画じゃないですけどネ。
それにしても、ミラったら、『バイオハザード』とか、こんなのばっかり。普
通の人間は演じられないのか？？？ この映画のＰＲでの来日予定をドタキャ
ンしたのも、普通の人間ぶりを見せたくなかったからだそうです（ウソ）。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆
（アクションはお金を取れるレベル。アメコミやゲーム好きにはオススメでき
ます。何も考えずに気楽に観ましょう）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年６月24日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後５時15分の回
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