うた魂(たま)♪



(2008年 日本)(上映時間2時間)
監督:田中誠
出演:夏帆、ゴリ、石黒英雄、徳永えり、亜希子、岩田さゆり、ともさかりえ、
間寛平、薬師丸ひろ子
*シネクイント、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
ホームページ http://www.utatama.com/
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<ストーリー>
北海道のとある町。七浜高校合唱部のソプラノパートリーダー、荻野かすみ
(夏帆)は、自己中心的で自意識過剰な女の子。自分の歌声とルックスに自信
満々だったが、好意を寄せる生徒会長から、歌っている瞬間の顔を「産卵中の
シャケみたい」といわれ、退部を決意する。だが、ラストステージとして参加
した夏祭りの合唱祭で、番長の権藤洋(ゴリ)率いるヤンキー合唱団の魂のこ
もった歌声を聞き、歌への情熱を取り戻していく……。

<レビュー>
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ユーモラスで爽やかな、合唱にかける少女の成長ストーリー
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『天然コケッコー』の夏帆が主役を務めた青春感動物語。高校の合唱部を舞台
に、一人の少女の挫折と成長を描きます。

主人公は、高校の合唱部のソプラノパートリーダー、荻野かすみ。歌はうまい
ものの、自意識過剰、自分の歌声とルックスに自信満々。いつも自分が主役で、
周囲のことなど眼中にナシ。あるとき、好意を持つ生徒会長から写真のモデル
を頼まれるが、歌っている顔を「産卵中のシャケみたい」といわれ、自信を喪
失して退部を決意する……。

合唱部を辞める動機が、いかにも青春ストーリーらしくていいですねぇ〜。好
きな男の子に「産卵中のシャケみたい」と言われたことだなんて。しかも、そ
こにホンモノの産卵中のシャケの映像を登場させるハジケた演出が痛快!

このシーンからもわかるように、全編が笑いに包まれた映画です。まるでマン
ガのような世界。主人公の空想の世界を映像にしたり、ヘンなキャラクターの
登場人物が大暴れしたり、笑えるネタが満載です。

退部を決意した主人公は、その後、不良高校のヤンキー合唱団の番長と出会い、
合唱の素晴らしさ、仲間の大切さを再認識します。これもマンガ的な展開。お
まけに、主人公を動かした言葉が「合唱はフルチンだッ!」というのだから、
あまりにもオバカです。

とはいえ、ただオバカなだけではなく、主人公の成長物語をきちんと描きます。
悩み、苦しみながらも、前を向いて歩き出す少女のみずみずしい姿とともに、
それを見守る家族や先生、仲間たちの姿が生き生きと描かれ、爽やかな感動を
生み出しています。青春ドラマとしてのリアリティーは失われていません。合
唱の楽しさや魅力も伝わってきます。

全体のバランスを考えると、笑いに比べて、涙や感動の割合が少ない気もしま
すが、クライマックスのコンクールシーンはさすがに感動の嵐。観ていて、思
わず自分も立ち上がって歌いたくなってしまいました。

主演の夏帆がやっぱりいいですねぇ〜。あのみずみずしさは素晴らしい。笑顔
がたまりませんね。いくら同年代の役でも、ああいう演技はなかなかできませ
ん。テレビよりもスクリーンのほうが、絶対に映える女優です。

番長役のガレッジーセールのゴリは笑えるし、先生役の薬師丸ひろ子のお茶目
ぶりも楽しいところ(ただし、両者の接点は不要な設定では?)。

そのほか、徳永えり、岩田さゆり(「金八先生」の時から注目)など、高校生
役のコたちが、みんな輝いていました。

ユーモア満点で綴った少女の成長物語。笑えて、爽やかな気分になれます。幅
広い層が楽しめるのも魅力。でも、やっぱり最大の魅力は夏帆かな……。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(青春映画好きならずとも十分に楽しめる映画。爽やかな気分になりたい方は
ぜひどうぞ。)
                                        (ぽち)

〔鑑賞データ〕
2008年4月6日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分の回


[「う」のページ]




うた魂(たま)♪
田中誠
夏帆
ゴリ
徳永えり
岩田さゆり
薬師丸ひろ子