ワルキューレ(VALKYRIE)


(2008年 アメリカ)(上映時間2時間)
監督:ブライアン・シンガー
出演:トム・クルーズ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソ
ン、カリス・ファン・ハウテン、トーマス・クレッチマン、テレンス・スタン
プ、エディ・イザード、ケビン・マクナリー、クリスチャン・ベルケル
*TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://www.valkyrie-movie.net/
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<ストーリー>
第二次大戦下のドイツ。瀕死の重傷を負いながら生還を果たしたシュタウフェ
ンベルク大佐(トム・クルーズ)は、ヒトラー独裁政権へ反感を抱き、レジス
タンス組織に加わる。やがてヒトラーを暗殺して政権を掌握するという壮大な
作戦に乗り出すシュタウフェンベルクたちだったが……。

<レビュー>
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ブライアン・シンガーによるヒトラー暗殺計画をめぐるスリリングなドラマ
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第2次大戦中の1944年7月20日に起きた、ヒトラー暗殺計画「ワルキューレ作
戦」をめぐる物語。シュタウフェンベルク大佐という中心的な働きをした軍人
の姿を中心に、事件の顛末を描きます。

ナチスドイツで、こんなことが実際に起きていたなんて知りませんでしたね。
勉強不足でスイマセン。

暗殺事件という緊迫したネタですが、それがよけいにスリリングに描かれるの
は、『ユージュアル・サスペクツ』のブライアン・シンガー監督の力でしょう。
登場人物のちょっとしたしぐさ、視線などを巧みに利用して、尋常ではない緊
迫感をあおっていきます。

いよいよ爆弾による暗殺決行という前後の場面は、すさまじい緊張感で背筋が
ゾクゾクしてきました。

主演のトム・クルーズに加え、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、トム・ウィル
キンソン、トーマス・クレッチマン、テレンス・スタンプなど実力派俳優たち
の演技も、この映画に厚みを与えています。

ただし、どうにも違和感があるのはドイツが舞台のドイツ人による物語なのに、
全編英語というところ。世界マーケットを意識すれば仕方ないんだろうけど、
やっぱりヘンですね。まあ、ドイツ語を話すトム・クルーズっていのうもヘン
でしょうけど(笑)。

実話のせいか、描き方があまりにも正攻法なのも気になりました。部分的に思
い切ってデフォルメして、盛り上げるところがあってもよかった気がします。
たとえば、敵と味方の虚々実々の駆け引きみたいなものを、もっとたくさん描
いたりして。

特に後半はダダダッと終わってしまうので物足りない感じ。

登場人物の内面の描き方も浅い気がします。「失敗したらどうしよう」という
ような登場人物の悩みや苦しみ、迷いみたいなものをもっと描いてもよかった
のでは?

とまあ、いろいろ言ってみましたが、まずまず楽しめる映画なのは間違いあり
ません。ヒトラー暗殺をめぐるスリリングなドラマが堪能できます。

もしも、あの時にヒトラーが計画通りに暗殺されていたら、いったい歴史はど
うなっていたのでしょうか……。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(ヒトラー暗殺をめぐるスリリングな映画。物足りないところもあるけれどそ
れなりには楽しめます。)
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2009年3月26日(木)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時45分の回


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