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脇役物語
（2010年 日本）（上映時間1時間37分）
監督・原案・製作・脚本：緒方篤
出演：益岡徹、永作博美、津川雅彦、松坂慶子、柄本明、前田愛、イーデス・
ハンソン、柄本佑、江口のりこ、佐藤蛾次郎、中村靖日
＊ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.wakiyakuthemovie.com/
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＜ストーリー＞
有名劇作家を父に持つ松崎ヒロシ（益岡徹）は万年脇役の中年俳優。私生活で
もバツイチの独り身でサエない日々。そんな彼に、ウディ・アレン映画の日本
版リメイクの主役を演じるチャンスが訪れる。ところが、大物代議士夫人の不
倫相手と誤解され降板の憂き目に。そんな中、女優の卵アヤ（永作博美）と知
り合い恋に落ちたヒロシは、主役の座を取り戻そうと必死になるのだが……。
＜レビュー＞
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日本ではあまり見ないオシャレで小粋なラブコメディー
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脇役人生を送る中年俳優ヒロシが、ようやく射止めた主役の座を不運な出来事
で失ったものの、若い女優の卵アヤと恋に落ちたことから、必死に挽回を図る
というお話。
全編くすくすと笑える笑いが満載のオシャレで小粋なラブコメディー。オープ
ニングのアニメからオシャな雰囲気に満ちています。すぐに誰かに間違われる
主人公のキャラを生かしたり、警官の衣装やブドウなどの小道具を使ったりし
て、巧みに笑いを組み立てていきます。
日本ではあまり見ないタイプのラブコメディーだと思ったら、監督・原案・製
作・脚本を担当した緒方篤（自身も出演）は、アメリカやヨーロッパで活動し
ていたそうです。短編映画『不老長寿』がバンコク国際映画祭でグランプリを
受賞して、今回の長編デビューになったとか。なるほどねぇ〜。ずっと日本に
いたら、こういうタイプの映画はできなかったかも……。
ヒロシたちが代議士夫人の本当の不倫相手を暴こうとする中盤以降も、笑える
シーンの連続です。警察の留置場ネタなど、センスの良い笑いが満載です。
主演のヒロシを演じるのは益岡徹。自身も脇役が多く、長編映画初主演という
こともあって、コミカルな中に哀愁を漂わせる演技が絶品。一方、相手役の永
作博美はコケティッシュな魅力を全開。テンポの良い両者の掛け合いに、ヒロ
シの父親役の津川雅彦の飄々とした演技も加わって、絶妙のアンサンブルを奏
でています。
セリフなしで出てくる柄本明のホームレスなども、いい味を出しています。江
口のりことのシーンは、短時間ながらほのぼのとする良いシーンです。
難を言えば、やや技巧に走りすぎて、ヒロシの脇役人生の行方やアヤとの恋愛
など、中心となるドラマにあまり深みがないことでしょうか。ずっと同じ調子
が続くので、最後のほうはややダレ気味な感じもしました。
それでも、観終わって温かな気持ちになれるのは間違いなし。ラストのオチの
つけ方も強引ではあるものの、観客を心地よくさせる効果はバツグン。音楽も
オシャレです。こういうタイプのラブコメが好きな人にとっては、たまらない
映画でしょう。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（日本ではあまり見ないタッチのラブコメディーで緒方監督のセンスのよさを
感じさせます。ほのぼのした気分になりたい人にはオススメ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年11月3日（水）ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後2時10分の回
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