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ウォンテッド（WANTED）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間50分）
監督：ティムール・ベクマンベトフ
出演：アンジェリーナ・ジョリー、ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フ
リーマン、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン、コモン
＊日劇1ほかにて全国公開
ホームページ http://www.choose-your-destiny.jp/
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＜ストーリー＞
仕事もプライベートも冴えない青年ウェスリー（ジェームズ・マカヴォイ）の
前に、ある日、謎の美女フォックス（アンジェリーナ・ジョリー）が現われる。
彼女の話によれば、組織の優秀な暗殺者だったウェスリーの父が殺害されたと
いう。フォックスが所属する秘密組織"フラタニティ"から、組織に入る資格が
あり、父の仇を討つべきだと勧められるウェスリー。それを受け入れた彼には
過酷な修業が待っていた……。
＜レビュー＞
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アクション映画の楽しさが詰まったロシア人監督のハリウッドデビュー作
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それなりのリアリティーを追求したアクション大作も多い中、この映画はそん
なものとは無縁。はっきり言ってムチャクチャなお話です。
ダメダメで情けないサラリーマン生活を送っていた主人公が、謎の暗殺集団か
らスカウトされて、超人的な能力を身につけ、父の仇を討とうするけれど……
というお話。
1000年の歴史を持つ機織り職人の暗殺集団"フラタニティ"という存在自体がウ
ソくさいわけですが、暗殺のターゲットがなぜか織られた布の暗号でわかると
いう設定にはさらにビックリ。もう何から何までデタラメです。
とはいうものの、そんなことは承知の上で、娯楽性の高い映画をつくることを
徹底しているのがこの映画。「ムチャクチャでも楽しければいいじゃない」。
そんな開き直りにも似た姿勢で、アクション映画の楽しさをとことん追求して
います。
アクション場面でのスピーディーで、スリリングな映像には、「そんなのあり
えねぇ〜」と思いつつもつい見入ってしまいます。カーブしながら弾丸が的に
向かう、『マトリックス』ばりのシーンなど見応え満点。
最初のほうで登場するアンジェリーナ・ジョリーによるカーアクションなんて、
あまりの迫力とスピードで、目が回りそう。
暗殺組織に加わった主人公が、他のメンバーたちによって鍛えられる……とい
うよりは、ほとんどいたぶられる常識ハズレの展開も秀逸。
何しろアンジェリーナ・ジョリーはこういう役がピッタリ。まさに女王様。ド
Ｓ女をやらせたら世界一かも！？ いためつけられるジェームズ・マカヴォイ
が、カワイそう〜〜〜。
こうして一人前の暗殺者となった主人公に、ようやく訪れた父の仇を討つチャ
ンス……。
そこからは、列車を使った大アクション。これも破格のスケールとスリルです。
しかも、そこで訪れる意外などんでん返し。
て、まあだいたい想像はついていましたけれどね。それでも、そこからラスト
に至るまでの一段とヒートアップした展開には興奮させられました。
ドラマ性なんてほとんどありません。本来なら重要なポイントになるはずの、
主人公と父との関係についてもサラッと描かれるだけ。ダメ人間から暗殺者に
なり、そして重大な事態に直面した主人公の心の動きも、きちんと描かれるこ
とはありません。
しかし、そんなことに期待しないで気楽に観れば、けっこうイケる映画です。
監督のティムール・ベクマンベトフはロシア人で、アクション映画『ナイト・
ウォッチ』『デイ・ウォッチ』で注目され、ハリウッドにスカウトされた監督。
ハリウッドに渡って初の作品といっても、ヘンに小さくまとまったりせずに、
やりたい放題にやっているのだから大物です。今後に期待しましょう。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（常識ハズレでとにかく楽しい映画。星の数はともかく、アクション映画好き
なら観ても損はありません。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年9月20日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の回
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