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ワールド・オブ・ライズ（BODY OF LIES）
（2008年 アメリカ）（上映時間2時間9分）
監督・製作：リドリー・スコット
出演：レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング、
ゴルシフテ・ファラハニ、オスカー・アイザック、サイモン・マクバーニー、
アロン・アブトゥブール、アリ・スリマン
＊丸の内ピカデリー1ほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/bodyoflies/
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＜ストーリー＞
世界中を飛び回り、危険な任務をこなすＣＩＡ工作員フェリス（レオナルド・
ディカプリオ）。一方、アメリカの本部や自宅など安全な場所から指示を送る
上司のホフマン（ラッセル・クロウ）。ともに中東で対テロ殲滅作戦を展開し
ていたが、生き方も考え方も異なる２人は、ことごとく衝突する。２人は架空
のテロ組織をでっち上げ、国際的テロ組織のリーダーをおびき出そうと試みる
のだが……。
＜レビュー＞
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二大スター共演で送るスリリングなアクション・サスペンス
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対テロ作戦を続けるＣＩＡの中東での暗躍を背景に描いたアクション・サスペ
ンス。ジャーナリストのデイヴィッド・イグネイシアスの小説の映画化です。
面白いのは中心人物の設定。中東で危ない目に遭いながら任務をこなす工作員
と、それを安全な場所から指示する上司。対照的な二人が物語を動かしていき
ます。無人偵察機を使った上空からの映像をもとに上司が指示を出すところが、
いかにもゲーム的で、現場の工作員とのギャップが端的に表現されています。
テロ組織をやっつけるという点では一致しているものの、仕事の内容も違えば、
考え方も性格も違う二人。そりゃあ、衝突するのが当然でしょう。
中東各地を行き来して、テロ組織のリーダーをあぶりだそうとする工作員。し
かし、上司は彼を無視する行動を取ったりして、なかなか思うように行きませ
ん。
中盤からは、ヨルダン情報局の幹部も登場。こちらもクセモノで、調査手法も
ＣＩＡとはかなり違います。ここからは、三者による三つどもえのバトルが展
開。
そして、後半はニセのテロ組織をでっち上げるという恐ろしい作戦を遂行する
中で、工作員が土壇場に追い込まれます。まさに絶体絶命のギリギリの展開。
はたしてその運命は？
この映画の最大の見どころは、レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウ
という二大スターの競演です。もはや完全に演技派となったレオ様が、危険な
仕事をこなす工作員を熱演。一方、ラッセル・クロウはかなり体重を増やして
（一瞬、特殊メイクかと思った）、安全な場所から恐ろしい指示をする上司を
憎々しげに演じます。この二人の演技だけでも、観る価値があります。
敵と味方の虚々実々の駆け引きを通じて二転三転するストーリー展開。スリリ
ングなアクション。そして、映像にこだわるリドリー・スコット監督らしい迫
力ある映像。どれをとっても魅力充分。
ということで、エンターティメントとしてはなかなか見応えある映画なのです
が、物足りなさもあります。
クライマックスで、現地人女性が大きな鍵を握るというのはありがちでつまら
ない展開。だいたいプロの工作員としてあれほど注意深い仕事をしている主人
公が、女性にあんなに甘いのはどう考えても不自然！
それに『ブラックホーク・ダウン』など、リドリー・スコット監督が社会派ネ
タを扱った映画に共通する欠点なのですが、あと一歩の踏み込みが甘いんです
よねぇ〜。
ラッセル・クロウ演じる上司に体現させているのは、今のアメリカの姿そのも
の。自分たちの任務のためには、現地人の命なんかどうなってもかまわない。
対テロ作戦のためには、どんな汚いことでもやる。そんなアメリカに対して、
ラストでレオ様がタンカを切るのですが、そういうテーマを盛り込むなら、映
画全編を通してもっときちんと突っ込まないとダメですよ。
どうやら、純粋にアクション・サスペンスとして楽しむのが正解の映画。それ
以上は求めないほうがよいと思います。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（最大の見どころは二大スターの共演。そして二転三転するスリリングな展開。
期待し過ぎないで観ればそれなりには……。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2008年12月23日（火）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後4時の回
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