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ワールド・トレード・センター（WORLD TRADE CENTER）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間９分）
監督：オリヴァー・ストーン
出演：ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、マリ
ア・ベロ、スティーヴン・ドーフ、ジェイ・ヘルナンデス、マイケル・シャノ
ン、ニック・ダミチ、ダニー・ヌッチ、フランク・ホエーリー
＊日劇ＰＬＥＸ、渋東シネタワーほかにて全国公開
ホームページ http://www.wtc-movie.jp/top.html
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＜ストーリー＞
2001年9月11日。いつものように出勤した港湾警察のジョン・マクローリン巡査
部長（ニコラス・ケイジ）は、いつものように部下を現場へと送り出す。とこ
ろが間もなく、世界貿易センタービルに旅客機が激突し、港湾警察官たちに緊
急招集がかけられる。マクローリンを班長とした救助チームが結成され、現場
へと急行するのだが……。
＜レビュー＞
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テロを描いた映画ではなくサバイバル＆夫婦愛のドラマ
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『プラトーン』『７月４日に生まれて』『ＪＦＫ』などの問題作で知られるオ
リヴァー・ストーン監督。強烈なメッセージ性を嫌う人も多いようですが、当
たり障りのない映画よりはっきりモノを言う映画のほうが筆者は好きです。
なので、そんなオリヴァー・ストーン監督が、9.11テロを素材に映画を撮ると
聞いた時には大いに期待したのですが……。
9.11テロで崩壊した世界貿易センタービル。人々を救出しようとして、逆に被
害に遭った警察官や消防士がたくさんいます。そんな人たちの実話をベースに
した物語。
港湾警察のジョン・マクローリン巡査部長が、４人の部下とともにビル内に入
って救助活動を始めようとするものの、大音響とともにビル全体が崩れ、彼ら
は生き埋めになってしまう。
意外だったのは、映画のスタートからわずか30分程度で警官たちが事故にあう
こと。つまり、そこから後は身動きできない警官たちを描くという難しいシチ
ュエーションになるわけです。
しかし、そこはさすがにベテラン監督。生き残った２人の警官が、ガレキには
さまれたまま、絶望に襲われながら必死に生き抜こうとする姿をリアルに描い
ています。
そして、同時に描かれるのが２人の家族。特に奥さんの姿がこちらもリアルに
描かれます。夫の安否がわからないまま、焦り、怒り、苦しむ彼女たちの胸中
が、観客席にもしっかりと伝わってきます。
やがて１時間ほど経過したところで、彼らの救出劇が開始されます。危険を顧
みず救出を試みる人々のギリギリの行動が、なかなかスリリングで、サバイバ
ル映画的なおもしろさも体験できます。
ラストはさすがに大感動の結末。家族愛、夫婦愛、人間愛などが怒涛のように
押し寄せて、涙ナシには観られません。て、筆者は泣かなかったけれど。
というわけで、それなりに良くできた映画だとは思うのですが、オリヴァー・
ストーンがこんなスケールの小さな家族ドラマなんてつくっていいのか？ し
かも、こんなドデカイネタを使って。オリヴァー・ストーンも年とったのかな
ぁ〜？
でも、監督自身「これは家族のドラマでテロを描いた映画ではない」とインタ
ビューで言っちゃってるんですよね。しかも、ブッシュ批判をすると同時に、
「今度はちゃんとしたテロの映画もつくりたい」と発言しているのです。
考えてみたら、オリヴァー・ストーンだって、大テーマの映画ばかりつくって
きたわけではなく、問題作の合間にはしっかりと、みなさんを素直に楽しませ
たり、感動させるような映画も監督してるんですよね。そういう映画だと思え
ばいいのかも……。
『プラトーン』『７月４日に生まれて』『ＪＦＫ』をしのぐ問題作は今後に期
待しましょう！
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（リアルだし、感動的な家族愛だし、なかなか見応えある映画。ただ、オリヴ
ァー・ストーン作品だと思うとイマイチ物足りなさも……。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年10月8日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分の回
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