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ヤギと男と男と壁と（THE MEN WHO STARE AT GOATS）
（2009年 アメリカ・イギリス）（上映時間1時間34分）
監督：グラント・ヘスロフ
出演：ジョージ・クルーニー、ジェフ・ブリッジス、ユアン・マクレガー、ケ
ビン・スペイシー、スティーブン・ラング、ロバート・パトリック
＊シネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
ホームページ http://www.yagi-otoko.jp/
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＜ストーリー＞
妻に捨てられて離婚したミシガン州の地方紙記者ボブ（ユアン・マクレガー）
は、人生をやり直すためイラク取材に旅立つ。そこで出会ったのは、かつて存
在した極秘部隊「新地球軍」の特殊工作員リン（ジョージ・クルーニー）。超
能力を操るという彼とともに、クウェートからイラクに入るボブだったが……。
＜レビュー＞
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アホアホなアメリカ軍を笑うユル〜イ笑いのコメディー
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超能力を操るというナゾのアメリカ軍の部隊をネタにしたブラックなコメデ
ィー。アメリカに対する毒がたっぷり詰まった映画です。
主人公は妻に逃げられた新聞記者ボブ。人生をリセットするために、一念発起
してイラク取材に出かける途中、クウェートで超能力を操る元米軍特殊工作員
を自称する男リンと知り合います。そんな２人のイラクでの珍道中とともに、
リンが所属していた極秘部隊「新地球軍」の設立から現在までが描かれます。
なにせ「新地球軍」ときたら、とんでもない部隊です。ヒッピーかぶれのベト
ナム帰りの軍人ビルが、"ラブ＆ピース"の精神で戦争を終わらせるべく、奇想
天外な行動を展開。瞑想したりダンスを踊ったり、はては超能力の訓練に没頭
したり。
そんな部隊の中でも、優秀な超能力の使い手だったらしいリン。それゆえボブ
との旅でも不思議な能力を発揮！？ とはいえ、それに負けないぐらい失敗を
重ねて、大変なピンチを招いてしまいます。
リンをはじめとする新地球軍のアホアホな言動が、全編でユル〜イ笑いを巻き
起こします。リンが目力でヤギを殺すなどオバカなシーンの連続。ユアン・マ
クレガーの『スター・ウォーズ』ネタなどのパロディも登場します。
アメリカそのもののオバカぶりも皮肉タップリに描き出します。いくら戦争の
ためとはいえ、怪しげな超能力を真剣に研究するだけでなく、そのリーダーに
ヒッピー崩れの平和主義者を据えるというワケのわからない行動。戦争中のイ
ラクで遮二無二ビジネスを展開しようとするアメリカ人なども登場させて、ア
メリカという国や戦争のアホらしさを徹底的に皮肉ります。
クライマックスは痛快。ラリーという邪悪な兵士が登場して、ビルとリンは相
前後して新地球軍を離れていたのですが、そのラリーをめぐってビルとリンが
大活躍。LSDを使った攻撃はこの映画最大のバカバカしさです。
ジョージ・クルーニーをはじめ、ジェフ・ブリッジス、ユアン・マクレガー、
ケビン・スペイシーといった面々が観客を笑わせます。製作にも名前を連ねる
ジョージ・クルーニーの存在がなければ、こんな豪華キャストは実現しなかっ
たことでしょう。いかにもジョージ・クルーニー好みの映画です。
個人的には、ロバート・アルトマン監督の『M★A★S★H』並みに、もう少しハ
ジケて欲しかった気もしますが……。
それにしても、一番驚くのが、この映画が「実録・アメリカ超能力部隊」とい
うノンフィクションにもとづいていること。米軍に超能力部隊は本当に存在し
ていたのです！！！
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（ユル〜イ笑いとアメリカに対する皮肉がタップリ詰まったコメディ。豪華キ
ャストの共演も見ものです。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年8月21日（土）シネ・リーブル池袋にて。午後1時35分の回
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