|
山形スクリーム
（2009年 日本）（上映時間1時間56分）
監督：竹中直人
出演：成海璃子、AKIRA、マイコ、竹中直人、桐谷美玲、紗綾、波瑠、温水洋一、
六平直政、田中要次、広田レオナ、荻野目慶子、緋田康人、篠原ともえ、石橋
蓮司、斉木しげる、デビット伊東、クリスタル・ケイ、岩松了、生瀬勝久、由
紀さおり、沢村一樹
＊シネ・リーブル池袋ほかにて公開
ホームページ http://yamagatascream.gyao.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
都立紅高校・歴史研究会の美香代（成海璃子）たちは、合宿で山形県の御釈ヶ
部村を訪れる。そこは800年前に、源氏に追われた平家の侍頭・葛貫忠経（沢村
一樹）らが落人狩りにあった場所だった。美香代たちが到着すると、観光キャ
ンペーンとして落ち武者の霊が眠る祠を倒すイベントが行われていた。やがて、
その祟りによって、葛貫と家来たちがよみがえってしまう。葛貫らは村人を襲
い、殺された村人たちもゾンビとなっていくのだが……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
竹中直人が本領発揮！？ あまりにもアホアホなコメディ・ホラー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今まではどちらかというと、人間の内面を描くシリアスな映画が多かった竹中
直人監督。50歳過ぎて今頃ハジケちゃいましたぁ〜（笑）。
まあ、もともとお笑いで有名になって、今もアホアホなコメディを演じたりし
ているだけに、そんなに違和感はないですけどね。
歴史研究会の女子高生たちが、合宿で山形県のある村を訪問。そこは800年前に
平家の落人が村人に殺された場所。観光キャンペーンで落ち武者の霊を祀った
祠を倒したら、そこから落ち武者たちがよみがえった！ てなお話です。
よみがえった落ち武者たちが、次々に村人たちを襲い、襲われた人々はモンス
ターに変身する（ぎょい！）典型的なゾンビホラー。
しかし、ホラーといってもまったく怖くありません。ホラーはホラーでも、コ
メディなんです。ヘンな人物が続々登場して、全編でギャグをサクレツさせま
す。生瀬勝久の村長、荻野目慶子のスナックママなど、みんなアホアホです。
はては温水洋一が本人役で出て、みんなにバカにされるというムチャクチャさ。
演じている役者さんたちはみんな楽しそうです。特にふだんシリアスな役が多
い人は、よけいに楽しそう。まあ、一番はしゃいでいるのは、役者としても大
活躍の竹中監督ですけどね。きっと、前から一度はこういう映画が作りかった
んだろうなぁ。
最初から最後まで意味のない笑いの連続。クライマックスでゾンビ退治のキー
になるのは、左ト全の『老人と子供のポルカ』。それって40代以上の人にしか
わからんでしょう。しかも歌うのは由紀さおり。ついでに『夜明けのスキャッ
ト』も歌ってくれりゃよかったのに（笑）。
成海璃子演じる美香代の複雑な家庭事情を出したりして、多少のドラマはある
ものの、はっきりいってそんなものはどうでもいいです（何しろ父親が岩松了
で、母親がクリスタル・ケイだっていうんですから！）。ひたすらバカバカし
い世界にどっぷり浸かって、笑うしかありません。
ただし、誰でも笑える爆笑の笑いではなく、ツボにはまれば笑える脱力系のユ
ルい笑いなので、そこのところはご注意を。
バカはバカでいいのですが、できれば名作ホラー映画やコメディ映画のパロデ
ィなんかをたくさん盛り込んだら、もっと面白かったんじゃないでしょうか。
映画通の竹中監督だけになおさらね。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
（後に残るものは何もないけれど、アホアホな世界はそれなりに楽しいです。
そういう映画が好きな方はどうぞ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年8月1日（土）ヒューマン・トラスト文化村通りにて。午後5時5分
[「や」のページ] |
|