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相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿
（2009年 日本）（上映時間1時間45分）
監督：長谷部安春
出演：六角精児、萩原聖人、市川染五郎、紺野まひる、片桐はいり、伊武雅刀、
鈴木砂羽、益戸育江、川原和久、大谷亮介、山中崇史、山西惇、神保悟志、小
野了、片桐竜次、水谷豊、寺脇康文
＊丸の内ＴＯＥＩ２ほかにて全国公開
ホームページ http://www.yonezawa-movie.com/
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＜ストーリー＞
警視庁鑑識課の米沢守（六角精児）は、東京ビッグシティマラソンの参加者の
中に、数年前に姿を消した元妻・知子の姿を見つけてしまう。翌日、その女性
の死体が発見されるが、実際はよく似た別人で、所轄の刑事・相原（萩原聖
人）の元妻だった。自殺という結論に納得できない相原は、米沢とともに独自
に捜査を始めるが……。
＜レビュー＞
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人気シリーズのスピンオフ。鑑識・米沢の人間的な魅力がたっぷり
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テレビ朝日系の人気ドラマ、そして『劇場版』も大ヒットした『相棒』シリー
ズのスピンオフ映画です。
最近のスピンオフといえば、『踊る大捜査線』シリーズの『交渉人 真下正
義』『容疑者 室井慎次』がヒットしましたが、あちらはユースケ・サンタマ
リア、柳葉敏郎といった誰でも知っている有名俳優が主演。こちらは世間的に
知名度の低い六角精児が主演とあって、最初は「マジ！？」と思ったのですが、
これがけっこうヒットしているらしいのです。
物語は、『劇場版』のサイド・ストーリー。東京ビッグシティマラソンを舞台
に杉下右京と亀山薫が事件解決に奔走する裏で、鑑識課の米沢が以前にいなく
なった元妻を発見！と思ったら、その女性が死亡。しかし、それは元妻ではな
くよく似た他人でひと安心。ところが、それは所轄刑事の相原の元妻で、自殺
という断定が納得できない相原と米沢が事件を追います。
事件の捜査自体は、それほど魅力的ではありません。２人とも暴走の連続だし、
謎解きの面白さがあまり感じられません。
しかも、『劇場版』ほど大がかりでなく、映画的な要素はせいぜいアップを多
用している程度。しかし、その分、米沢と相原という２人の男の人間味が前面
に出て、これはこれで楽しめる映画になっています。
何よりも光るのが米沢です。コミカルで、ひょうひょうとした外見。いったい
何を考えているのかわからないけれど、特命係の２人を尊敬している。そんな
不思議な個性が、いい味になっています。ユーモラスで笑えるところがタップ
リ。しかも、ギターの弾き語りまで披露。
そして、相棒シリーズの魅力の一つでもある権力批判も健在。天下り組織の腐
敗ぶりや税金の無駄遣いに対する批判が適度に散りばめられています。
捜査の過程はともかく、最後の真犯人の暴露にはビックリ。いや、完全にただ
の脇役だと思っていました。あの人……。
スピンオフ映画らしく、本編の主要な人物が登場するのも、ファンにはうれし
いところ。もちろん、水谷豊、寺脇康文扮する特命係の２人もチラチラと顔を
見せます。エンドタイトルのあとには、テレビ版で寺脇康文に代わって、新た
な相棒となったミッチーこと及川光博も登場。
それにしても、あらためて思うのは六角精児をはじめ小劇団の役者たちの活躍
ぶり。伊丹刑事役の川原和久もインタビューで答えていましたが、要所に有名
俳優でなく小劇団の俳優を配したのが、このシリーズの勝因かもしれません。
そして、監督の長谷部安春。今年77歳！ かつて日活で「日活ニューアクショ
ン」路線を支え、テレビの「あぶない刑事」シリーズなどでも活躍した監督。
『劇場版』の和泉聖治監督ともども、超ベテラン映画人がこのシリーズのキー
パーソンになっているようです。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（スピンオフ映画としてはなかなかのもの。『相棒』シリーズのファンなら満
足できそうです。それ以外の人も、それなりには……。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年4月5日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時30分の回
[「あ」のページ] |
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