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あしたのパスタはアルデンテ（MINE VAGANTI）
（2010年 イタリア）（上映時間1時間53分）
監督：フェルザン・オズペテク
出演：リッカルド・スカマルチョ、ニコール・グリマウド、アレッサンドロ・
プレツィオージ、エンニオ・ファンタスティキーニ、ルネッタ・サヴィーノ、
イラリア・オッキーニ
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.cetera.co.jp/aldente/
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＜ストーリー＞
実家のパスタ会社を継ぐ兄アントニオ（アレッサンドロ・プレツィオージ）の
社長就任を祝う晩餐会に出席するため、ローマから帰郷した青年トンマーゾ
（リッカルド・スカマルチョ）。彼は晩餐会で自分がゲイであることを告白す
ることを決意し、アントニオに伝える。ところが、トンマーゾが告白しようと
した矢先、なんとアントニオが先に自分はゲイだと宣言する。怒った父はアン
トニオを勘当し、直後に倒れてしまう。告白のタイミングを逃したトンマーゾ
は、共同経営者の娘アルバ（ニコール・グリマウド）と協力してパスタ工場の
運営に当たるハメになるのだが…。
＜レビュー＞
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保守的な家族に起こる同性愛騒動の顛末を明るく楽しく描く
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パスタ会社を営む家族の愛と絆の物語。
ローマから実家に戻ったパスタ会社社長の次男トンマーゾは、自分がゲイで、
作家志望であることを告白し、自由な立場を手に入れようと決意。事前に兄の
アントニオにそのことを打ち明ける。すると、あろうことか彼が晩餐会で告白
する前に、アントニオが「自分はゲイだ」と宣言。激怒した父がアントニオを
勘当し、しかも心臓発作で倒れたことから、トンマーゾは共同経営者の娘とと
もに会社の経営に携わることになる……。
保守的な土地に住む昔気質の父親を中心とした一家に巻き起こる騒動を、明る
く楽しく描いた喜劇です。ゲイの兄弟に加え、頑固ながら神経質で人の噂ばか
り気にする父、お気楽な雰囲気の母、夜毎「泥棒」がやってくる叔母、姉夫婦、
使用人など、ユニークな人々が登場。
その中でも特に大きいのが、秘めた恋を抱えて一生を送る祖母の存在。彼女の
エピソードがあちらこちらに挿入され、「他人の望む人生になんてつまらない。
自分の思い通りに生きなさい」というメッセージを伝えています。
家を出た兄アントニオ、父のことを考えて自分がゲイであることを言い出せな
い弟トンマーゾ。２人の苦悩や父との葛藤、兄弟の仲違いなどが描き出され、
シリアスなシーンも多数登場します。共同経営者の破天荒な娘アルバとトン
マーゾの微妙な関係なども、ドラマに波紋を投げかけます。
とはいえ、基本はあくまでも笑えるコメディ。特に後半、トンマーゾの恋人や
ゲイ友達が訪問してくるエピソードは爆笑もの。必死でゲイであることを隠そ
うとするものの、言動の端々にチラリチラリと見えてしまうのが面白いところ。
様々な葛藤を抱えつつ、やがて迎えるエンディング。話の展開そのものは予想
どおりですが、押しつけがましくなく大団円に至る手口が鮮やかです。
特に祖母の葬儀に若き日の祖母たちを登場させ、さらに時制を超越したダンス
シーンに持って行くファンタジックな展開が印象的。
おおらかで、明るく笑える、いかにもイタリア映画らしい映画。目新しさはな
いものの、誰でも安心して楽しめそうです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年9月19日（月・祝）シネスイッチ銀座にて。午後1時50分の回
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