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アウェイク（AWAKE）
（2007年 アメリカ）（上映時間1時間25分）
監督・脚本：ジョビー・ハロルド
出演：ヘイデン・クリステンセン、ジェシカ・アルバ、テレンス・ハワード、
レナ・オリン、クリストファー・マクドナルド、サム・ロバーズ
＊新宿武蔵野館ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://awake-movie.jp/
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＜ストーリー＞
亡き父の後を継いだ青年実業家で大富豪のクレイトン（ヘイデン・クリステン
セン）は、重い心臓病を抱え移植手術を待っていた。そんな中、秘書サム（ジ
ェシカ・アルバ）との結婚を母リリス（レナ・オリン）に打ち明けられずに悩
むが、ある日、ついに決心して挙式する。その直後、ドナーが見つかったとの
連絡が入り、クレイトンは友人の医師ジャック（テレンス・ハワード）の待つ
病院へと向かう。ところが、手術室へ運ばれた彼は、全身麻酔にも関わらず意
識が目覚める"術中覚せい"の状態になってしまう。そして彼は恐ろしい事実を
知るのだった……。
＜レビュー＞
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密室の医療サスペンス。ネタ一発でここまでやれば立派なもの
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『スター・ウォーズ』シリーズのヘイデン・クリステンセンとジェシカ・アル
バのコンビでも、日本じゃ興行的に苦しいのでしょうか。2007年の映画が今頃
公開です。公開になっただけマシですが。
お話は医療サスペンス。父の後を継いだ大富豪の青年実業家が主人公。母に内
緒で秘書とつきあう彼は、重い病気で心臓移植を待つ身。ある日、ついに母に
告白して挙式した直後に、ドナーが見つかり病院へ。執刀するのは友人の医師。
ところが、なんとその手術には恐ろしいウラがあったのだ！！！！！
というお話を、そのままストレートに描いたらありきたりの医療サスペンス。
しかし、この映画のユニークなところは、手術を受ける主人公が全身麻酔にも
関わらず、なぜか意識がある状態になってしまうというネタ。何でも実際にそ
ういうことがあるそうです。
このネタが実に効果的です。何しろ主人公が、自分が何をされているかわかっ
てしまうのですから。その恐しさときたらハンパではありません。自分が意識
があることを必死に訴えても、体も動かず声も出ず。そうこうするうちに手術
は進んでいきます。
手術シーンはかなりリアル。とはいえ、さすがにそれだけではもたないので、
あれこれ工夫しています。回想シーンを挟み込んだり、体を抜け出した主人公
の分身が過去のシーンを検証して謎に迫ったり……。演出は新人のジョビー・
ハロルド監督です。
そしてまもなく、驚愕の事実が判明します。冒頭で主人公が死んだらしいこと
が示唆されるので、何かあるに違いないと疑心暗鬼で観たものの、途中までは
まったく気付きませんでした。なるほどよくよく考えたら、あちこちに伏線が
……。それにしても、あの男が？あの女が？
舞台のほとんどが手術室という密室が占めるのも、観客の意識を集中させるの
に効果的な設定です。
そして、終幕近くの急展開。まさかそんな！ 強引でリアリティーのない展開
ですが、盛り上がるのは盛り上がります。しかも、主人公の父の死の秘密を明
かして、ラストへ持ち込む巧みな筋運び。
「そんなこと気付けよ！」と主人公に言いたくなるのがご愛嬌。でも、何とか
は盲目って言いますからね。
観ても何も残りませんが、楽しめるのは楽しめます。「手術中の覚醒」という
ネタ一発で、ここまで面白い映画にするのだから、新人監督にしては立派なも
の。しかも、これ、原作モノではなくオリジナル脚本ですから。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年6月1日（水）新宿武蔵野館にて。午後1時の回
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