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コリン ＬＯＶＥ ＯＦ ＤＥＡＤ（ＣＯＬＩＮ）
（2008年 イギリス）（上映時間1時間37分）
製作・監督・脚本・撮影・編集・録音：マーク・プライス
出演：アラステア・カートン、デイジー・エイトケンズ、タット・ウォーリー、
リアンヌ・ペイメン、ケイト・アルダーマン、ケリー・オーウェン、リー・ク
ロコーム、ジャスティン・ミッチェル−デイヴィ
＊ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
ホームページ http://colinmovie.jp
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＜ストーリー＞
ある日、突然世界中で死者が甦り、生きた人間を襲い始める。ロンドンに住む
青年コリン（アラステア・カートン）も、甦った使者に腕をかまれて一度死ん
で甦る。まもなく他の死者とともに生きた人間を喰らい始めるコリン。やがて
彼は恋人との思い出の場所を目指して街を彷徨うのだが……。
＜レビュー＞
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監督の才気を感じさせる低予算ゾンビ映画
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イギリスのゾンビ映画です。独学で映画を勉強したマーク・プライスという青
年が、アルバイトをしながら、たった45ポンド（約5,856円）で製作。かかった
のは、お茶やお菓子などの費用でキャストやスタッフはすべてノーギャラ。ビ
デオカメラやテープはおもに手持ちの物を使用したようです。
死者が甦ってゾンビとなり、生きた人間を襲い始めた世紀末のロンドン。主人
公の青年コリンも、気づくとゾンビに。まもなく街に出た彼は、空腹感から人
間を襲って食べます。そんな中、彼の姉は「もしかしたら意識が戻るかも」と
思ってコリンを母親に合わせますが、期待は裏切られ、彼女もコリンに噛まれ
てゾンビになってしまいます。
プライス監督は、全編手持ちカメラで、コリンが街をさまよう姿を描写してい
きます。画面がグラグラ揺れるし、あちらこちら動き回るので、特に暗いシー
ンなどでは何が起きているのかよくわかりません。説明は一切なく、セリフも
最小限なので、なおさら理解しにくく感じられます。
それでも、そこには異様な緊迫感が漂います。ゾンビによる人間の襲撃シーン
など、まるでドキュメンタリーを観ているようなリアルな迫力が体験できます。
シーンの合間にはさまれるカットも印象的です。雲が猛スピードで流れる空、
矢印の描かれた表示板、洋服の模様をアップでとらえたカットなど。プライス
監督の映像センスを感じさせます。
光と闇のコントラスト、独特の色調、音の使い方なども効果的で、ついついス
クリーンに引き込まれてしまいます。
クライマックスでは主人公が恋人の家を訪ねます。そこで何が起きたのかが明
らかになります。切なさの残る悲しいラストです。
コリン役のアラステア・カートンのゾンビっぷりも、なかなか堂に入ったもの。
全体に荒削りだし、脚本や構成にも甘いところがあります。しかし、プライス
監督の才能は十分に感じられます。従来のゾンビ映画の要素を踏襲しつつも、
ユニークなセンスを発揮して過去のゾンビ映画とは一線を画す作品に仕上げて
います。
それにしても、テクノロジーの進化はすごいもの。意欲とセンスさえあれば、
誰でも市販のビデオカメラと編集ソフトでこれだけの映画ができてしまうので
すから。私もビデオカメラを買って映画を作ろうかしら・・・な〜んて思わせ
られるような映画なのでした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年1月6日（木）京橋テアトル試写室にて。
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