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完全なる報復（LAW ABIDING CITIZEN）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間48分）
監督：Ｆ・ゲイリー・グレイ
出演：ジェイミー・フォックス、ジェラルド・バトラー、レスリー・ビブ、ブ
ルース・マッギル、コルム・ミーニイ、ヴィオラ・デイヴィス、マイケル・
アービー、レジーナ・ホール
＊ TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズみゆき座ほかにて全国公開
ホームページ http://www.houfuku.com/
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＜ストーリー＞
クライド（ジェラルド・バトラー）は、ある日、突然自宅に押し入った2人組に
よって妻子を殺され、自分も重傷を負わされる。やがて、犯人のダービーとエ
イムスは逮捕されるが、担当検事のニック（ジェイミー・フォックス）は、エ
イムスを死刑に追い込む代わりに、ダービーの罪を司法取引によって軽減する。
それから10年後、エイムスの死刑執行の日に、本来なら安楽死するはずの彼が
苦痛の中で死ぬ事件が発生。さらに、出所していたダービーがバラバラ死体で
発見される。まもなく、容疑者としてクライドが逮捕されるのだが……。
＜レビュー＞
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刑務所から復讐を続ける男と検事との鬼気迫る対決
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復讐をめぐるサスペンスです。アメリカの法制度の現状（特に司法取引）に対
する問題提起や「正義とは？悪とは？」という問いかけも含まれた映画ですが、
現実には起こりそうもない話なので、それほど切実に迫ってくるわけではあり
ません。それよりもスリリングなエンターティメントとして楽しむのが正解で
しょう。
冒頭で起きる殺人事件。自宅に侵入してきた2人組の犯人によって、クライドの
妻と娘が惨殺され、クライドも重傷を負います。やがて犯人は逮捕されるもの
の、決定的な証拠がないため、検事のニックは司法取引によって1人を死刑に追
い込む代わりに、もう1人の罪を軽減します。
それから10年後、クライドは恐ろしい復讐を開始します。まもなく彼は逮捕さ
れてしまいますが、そこからが驚きの展開です。めぼしい証拠もないことから、
無罪を主張するかと思えたクライドですが、意外にあっさりと犯行を自白。
ところが、なんと彼は刑務所の中から次々に遠隔殺人を実行するのです。あれ
これと要求を出して「従わなければ殺すぞ」と脅しながら、かつて司法取引に
関わった関係者を殺害していきます。それに対して、彼の犯行を何とか止めよ
うとするニック……。
スリリングな展開の連続に目が離せません。殺された家族への思いを胸に秘め、
冷徹で狡猾な殺人鬼としてふるまうクライドを演じるジェラルド・バトラー。
仲間や家族も危険にさらしながら、必死でクライドの犯行を止めようとするニ
ックを演じるジェイミー・フォックス。2人のバトルは迫力満点です。特にジェ
ラルドのワルぶりは堂に入っています。
後半になって、ニックの必死の追及によってようやく真相が明らかになります。
刑務所の独房にいるのに、なぜクライドには遠隔殺人が可能だったのか。誰が
協力者なのか。
え？そういうこと？それって、24時間監視体制を敷けば実行不可能なのでは？
都合よすぎじゃないの？ラストも何だか強引なケリの付け方だし……。
ということで、クライマックス近くからはやや拍子抜け。
ただし、実力派俳優2人の鬼気迫る対決を軸に、スリリングなサスペンスが展開
されるので見応えはあります。猟奇的なシーンが多いけれど、エゲツなくなる
前に寸止めしているので、そのへんもあまり心配はいりません。ハラハラドキ
ドキしたい方は、それなりに楽しめそうです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年1月25日（火）池袋シネマ・ロサにて。午後3時30分の回
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