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ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀（LARGO WINCHⅡ）
（2011年 フランス・ベルギー・ドイツ）（上映時間1時間58分）
監督：ジェローム・サル
出演：トメル・シスレー、シャロン・ストーン、ウルリッヒ・トゥクール、マ
メ・ナークプラシット、オリヴィエ・バルテルミー、ローラン・テルジェフ、
ニコラ・ヴォード、クレーメンス・シック、ニルット・シリジャンヤー
＊銀座シネパトスほかにて公開
ホームページ http://www.largo-winch.net/
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＜ストーリー＞
巨大財閥Wグループの総帥である父が暗殺され、その後を継いだラルゴ・ウィン
チ（トメル・シスレー）は、会社をすべて売却し、慈善事業に投資することを
発表する。だが、契約の直前に3年前のビルマでの大虐殺に関与した疑いで、国
際刑事裁判所のフランケン検察官（シャロン・ストーン）により拘束されてし
まう。執事らの協力で自らの無実を晴らそうとするラルゴだが、そんな彼にさ
らに黒い魔手が忍び寄る……。
＜レビュー＞
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ヨーロッパ発のスリリングで痛快なエンタメ・アクション
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フランス、ベルギー、ドイツの合作映画。原作はフランスの人気コミック。し
かし、これは完全にハリウッドスタイルのエンタメ・アクション映画です。
財閥のオーナーの息子ラルゴが、暗殺された父の後を継いだものの、望まぬ権
力を嫌って会社を売却し、慈善財団を設立することを発表。ところが、その契
約直前にラルゴは国際刑事裁判所の検察官に拘束されてしまう。3年前に起きた
ビルマの大虐殺に関与したというのだ。確かに彼はその頃ビルマにいて、現地
の娘と恋に落ちていたが、虐殺に関与した覚えなどなかった。自らの無実を証
明しようとするラルゴだが……。
ビルマでの虐殺事件の謎をめぐって、ロシア、スイス、香港、ビルマ、タイと
世界を股にかけてドラマが進行します。ラルゴの犯罪を暴こうとする女検察官
のフランケンＶＳ自分の無実を証明しようとするラルゴという対決に加え、ラ
ルゴの命を狙う暗殺者たちも登場。スリリングな展開が続きます。
最大の魅力は本格的なアクションです。冒頭のカーチェイスから、銃撃戦、格
闘シーン、そしてクライマックスの飛行機からのダイブ＆空中での格闘など、
迫力満点のアクションが披露されます。
さらに、多彩な人物たちによる様々なエピソードが飛び出すのも、この映画の
魅力。虐殺を実行した将軍、裏で糸を引いていたらしい謎の人物、財閥を手に
入れようとするロシアの政商、彼に雇われた殺し屋、こうした人物の出し入れ
が実に巧みです。まさにタイトルどおり、裏切りと陰謀が渦巻く世界。
主人公がかつて愛したビルマ女性による裏切りと、その後の意外な顛末も印象
的なエピソード。ラルゴを助けて謎に迫る執事なども、いい味を出しています。
とにかく、すべての人物が存在感を発揮しています。
後半、心に大きな傷を負って絶望感に包まれたラルゴが、再び立ち上がるあた
りもソツなく描かれています。あくまでも添え物ではあるものの、ラルゴと父、
ラルゴと息子の関係を通して父子関係をテーマに据えた人間ドラマも盛り込ま
れています。
そして、ついに暴かれる本当の黒幕。え！え？え！？
まさかの真実です。これにはビックリでしたが、よく考えれば最初から何とな
く怪しかったかも。
主役のトメル・シスレーはもともとはコメディアンだそうですが、シリアスな
演技が板についています。そして、検察官役のシャロン・ストーンの貫禄ぶ
り！
この手のヨーロッパのエンタメ映画には、ただのハリウッドのモノマネが多い
けれど、これはまずまずの作品。個人的には、けっこう楽しめました。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年8月10日（水）試写（アスミック・エース試写室）にて
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