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ミッション：８ミニッツ（SOURCE CODE）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間34分）
監督：ダンカン・ジョーンズ
出演：ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファーミガ、
ジェフリー・ライト、マイケル・アーデン、キャス・アンヴァー、ラッセル・
ピーターズ、スーザン・ベイン
＊新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://disney-studio.jp/movies/mission8/
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＜ストーリー＞
列車の中で目を覚ましたコルター・スティーヴンス（ジェイク・ギレンホー
ル）は、見知らぬ女性から親しげに話しかけられる。まもなく列車内で大爆発
が起きる。再び意識を取り戻すと、そこは軍の研究室の中。コルターは、乗客
全員が死亡したシカゴでの列車爆破事件直前８分間の犠牲者の意識に入り込み、
犯人を捜すという軍の極秘ミッションを命じられたのだ。何度も意識を８分前
に戻して犯人探しをするコルター。しかし同じ８分間を繰り返すうちに、ミッ
ションに不審を抱くようになる……。
＜レビュー＞
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新鋭ダンカン・ジョーンズによる予想もつかないサスペンス
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デビュー作『月に囚われた男』で注目を集めたダンカン・ジョーンズ監督（父
親はあのデヴィッド・ボウイ）の第2作。今回も相当にユニークで面白い映画で
す。
冒頭は列車の中、主人公の軍人が見知らぬ女から話しかけられます。どうやら、
彼はまったくの別人に変身してしまった模様。鏡に映る自分もまったくの別人。
というわけで、この手の入れ替わり話はよくあります（その原因は様々です
が）。この映画も、その手の映画かと思ったら、意外や意外……。
その後、起きるのは列車の大爆破。乗っていた主人公は死亡。と思ったら、意
識を取り戻します。そこは軍の施設で、どうやら彼は軍の極秘ミッションによ
り、犠牲者の意識に入り込み、犯人を捜す役目を与えられている模様。てこと
は、これって、タイムトラベラーもののお話。うーん、これもなんだかありが
ち。
と思ったら、これまた意外や意外……。彼に与えられた時間は犠牲者が死亡す
る前の８分間のみ。当然ながら、一度で解決するわけもなく、何度もその８分
間を繰り返します。シチュエーションは同じながら、主人公が経験を重ねるう
ちに微妙に展開が変わってくるという面白い構成。犯人探しの魅力が十分に堪
能できます。
そして、さらにこの物語を面白くしているのが、主人公が何度も仮想世界の
「死」を体験するうちに、このミッションにはとんでもない秘密があることを
知っていくところ。詳細はネタバレになるので伏せますが、記憶や脳に関わる
驚きの秘密です。
後半になって、ついに犯人を突き止める主人公。しかし、彼にはどうしてもま
だやりたいことがあります。それを実行しようとするのですが……。
後半の大きなポイントになるのが、主人公が列車内で知り合った女性への思い。
そのために彼はある決断をします。さらに、主人公と父親との確執、上司の命
令で主人公に指令を出す女性軍人の苦悩と葛藤などもドラマに深みを生み出し
ます。
スピード感に満ちたキレのある映像も見事です。
この映画の驚きは、最後にも用意されています。生と死をめぐる美しくも切な
いエンディングへ突入。と思ったら、そこで意外などんでん返しが！！！
なんとラストに待っていたのは、新たな希望でした。それも、とびっきり美し
い希望。単なるSFエンターティメントを越えた、余韻の残るラストに感嘆させ
られました。
主演のジェイク・ギレンホールに加え、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファー
ミガ、ジェフリー・ライトら地味ながら味のある役者たちも好演。
今回もその豊かな才能を見せつけたダンカン・ジョーンズ監督。今後の作品も
楽しみです。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
2011年11月2日（火）新宿バルト9にて。午前11時の回
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