モンスター上司(HORRIBLE BOSSES)


(2011年 アメリカ)(上映時間1時間38分)
監督:セス・ゴードン
出演:ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、
ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、ケヴィン・スペイシー、ジェ
イミー・フォックス、ドナルド・サザーランド、ジュリー・ボーウェン
*シネマート新宿ほかにて公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/horriblebosses/
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<ストーリー>
昇進をちらつかせる上司デイヴ(ケヴィン・スペイシー)の横暴に苦しむニッ
ク(ジェイソン・ベイトマン)。女歯科医のジュリア(ジェニファー・アニス
トン)の過激なセクハラ攻撃に苦しむ歯科助手のデール(チャーリー・デイ)、
2代目バカ社長ボビー(コリン・ファレル)に振り回されるカート(ジェイソ
ン・サダイキス)。夜のバーでグチをこぼす3人は、自分たちのボスを排除す
るしかないと決意する。怪しげな元詐欺師ディーン(ジェイミー・フォック
ス)のアドバイスを受けながら、事故に見せかけて彼らを殺す殺人計画を練り
上げていくのだが……。

<レビュー>
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オバカでオゲレツでブラックな笑いが炸裂するモンスター上司退治
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タイトル通りにモンスター上司に苦しむ3人の男たちのお話。

そのモンスター上司とは、出世をエサに部下をいたぶりまくる取締役、エロ
モード全開で部下の歯科助手にセクハラ攻撃を仕掛ける女歯科医、そしてドラ
ック漬けでデタラメばかりする2代目社長。

それを演じるのが、ケヴィン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリ
ン・ファレルという豪華俳優陣。「みなさん、いったいどうしちゃったんです
か?」というぐらいの怪演です。リアリティーを出すのではなく、オバカ&オ
ゲレツ&ブラックな笑いで観客を楽しませようという作り手の意図を、そのま
ま体現したようなハジケっぷり。特にケヴィン・スペイシーのブチ切れ方とジ
ェニファー・アニストンのエロ攻撃は、完全に病気の世界です。

そんな3人に部下の男たちがいたぶられる様子を描いた前半。『ハングオー
バー!』シリーズをほうふつさせるようなタッチで、アホアホなエピソードが
満載。あまりのアホさに口あんぐりです。

そして、バーに集まっては上司の横暴を嘆いていた3人が、ついに耐え切れな
くなって、上司排除計画に立ち上がるのが後半の展開。

ジェイミー・フォックス演じる謎の殺し屋(?)に、ケムに巻かれたりして、
思うように計画が進まないなど、相変わらずオバカ&オゲレツなエピソードの
連続です。短めながらカーチェイスを見せるあたりにも、徹底して観客を楽し
ませようという作り手の意図が明確に現われています。

ただし、後半は上司に対する偵察シーンが中心で、ややテンポが落ちるのが惜
しいところ。ストーリー展開に、もうひとひねりあっても良かったかも。ラス
トのカーナビを使ったオチも、ちょっと都合よすぎです。

それでも、何も考えずに楽しめる映画なのは間違いなし。中途半端な社会批判
やヒューマンドラマなどはさまずに、とことん笑いに走ろうとする姿勢が素晴
らしい。

エンドロールでNGシーンを登場させるのも、いかにもこの手の映画らしいとこ
ろ。

ケヴィン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレルの怪演
だけでも、一見の価値はあるでしょう。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                           (田中ひろあき(ぽち))

2011年10月31日(月)シネマート新宿にて。午後4時25分の回


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