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モテキ
（2011年 日本）（上映時間1時間58分）
監督・脚本：大根仁
出演：森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、
金子ノブアキ、リリー・フランキー
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://moteki-movie.jp/
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＜ストーリー＞
31歳のモテない独身男、藤本幸世（森山未來）は、派遣社員を卒業し、ニュー
スサイトのライターとして働き始める。そんなある日、「第２のモテキ」が彼
に到来。ツイッターで知り合った雑誌編集者の松尾みゆき（長澤まさみ）とい
い感じになる。みゆきに彼氏がいるとわかっても、あきらめられない幸世。す
ると今度は、みゆきの親友の桝元るみ子（麻生久美子）から好きだと告白され
る。２人の間で揺れ動く幸世だが……。
＜レビュー＞
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恋愛ドラマがキッチリ描かれたサービス精神に満ちたエンタメ映画
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テレビ東京の深夜枠で放送されて話題になったコミックの実写ドラマが、まさ
かの劇場版で登場。脚本・監督はテレビ版と同じ大根仁。
「30歳手前のモテない男・藤本幸世が、ある日突然、モテ始めたからさあ大変
……」というのがテレビ版。映画版はそれから数年後、再びモテなくなった幸
世に、第２のモテキが到来するというお話。形の上ではテレビ版の続編ですが、
テレビ版を見ていなくても十分に楽しめます。
主人公の幸世を演じるのはテレビ版と同じ森山未來。彼を取り巻く４人の女性
はテレビ版では野波麻帆、満島ひかり、松本莉緒、菊地凛子でしたが、今回は
その数年後ということで長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子の４
人。ただし、そのうち幸世の恋愛に深く関わるのは、長澤まさみと麻生久美子
のみ。
派遣社員生活を脱して、ニュースサイトの正社員となった幸世の前に現れるみ
ゆき。「こんなのあり？」というほど都合よく仲良くなるものの、彼女には彼
氏がいるということもあって、それ以上は思うように進展せず。そんな幸世の
前に、今度はみゆきの友達のるみ子が登場して、好きだと告白される……。
というわけで、幸世と２人の女性による恋愛模様がドラマの核。前半は、モテ
ない男の苦悩と突然のモテキ到来に戸惑う様子を、リアルかつ面白おかしく描
いています。特に幸世の独白が傑作。メジャーなネタからサブカルネタまで、
様々な話が飛び出して観客を笑わせます。
大江千里の歌のカラオケビデオ風映像や、パフュームの曲をフィーチャーした
ミュージカルシーンで幸世の心境を表現するなど、あの手この手で観客を楽し
ませるサービス精神タップリの展開。
一方、後半はマジメな恋愛ドラマが前面に出てきます。錯綜する３人の関係。
みゆきが好きなのに前に進めない幸世。彼氏と幸世との間で身動きの取れない
みゆき。幸世への思いが受け入れられないるみ子。３人それぞれの揺れ動く心
理がキッチリと描かれます。
紆余曲折の末に、ある出来事をきっかけに行動する幸世。その後も二転三転す
る恋愛模様。はたして結末は……。
悲痛な告白を経て最後は純愛へと突入。美しい映像で見せる幸世とみゆきの姿。
２人の恋愛の行方と同時に、幸世の成長もクッキリとした輪郭で見えてきます。
そういえば、森山未來と長澤まさみといえば、かつての「セカチュー」コンビ。
それを意識したのかどうかは知りませんが、実にすばらしいキャスティングで
す。特に劇中で「最終兵器彼女」と称された長澤のカワイらしさよ！目の前に
あんな子がいたら、どんな男でもイチコロ。特に泣きの演技が絶品。三十路女
の哀しさを漂わせた麻生久美子も見事。「牛丼おかわり！」がアッパレです。
リリー・フランキーの社長のエロモード全開もスゴイなぁ。
エンドロールはいかにもサブカル風。流れる曲はスチャダラパー。ここまでく
れば立派なもの。モテキの存在など信じていない私ですが、この映画には完全
にやられました。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
2011年9月25日（日）池袋ＨＵＭＡＸシネマズにて。午後2時10分の回
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