ネスト(THE NEW DAUGHTER)


(2009年 アメリカ)(上映時間1時間48分)
監督:ルイス・ベルデホ
出演:ケヴィン・コスナー、イバナ・バケロ、ノア・テイラー、サマンサ・マ
シス、ガトリン・グリフィス、ジェームズ・ギャモン
*池袋テアトルダイヤほかにて公開
ホームページ http://www.facebook.com/nestmoviejp
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<ストーリー>
妻と離婚した離婚した小説家のジョン(ケヴィン・コスナー)は、思春期の娘
ルイーサ(イバナ・バケロ)と7歳になる息子サム(ガトリン・グリフィス)と
田舎の古い一軒家に越してきた。その家の裏には古墳のような塚があった。ま
もなく、ルイーサは家を抜け出して塚に向かい、泥だらけになって帰ってくる
ようになる。娘の異常な行動を心配したジョンが調査を進めた結果、その屋敷
のかつての住人と謎の塚に秘められた驚愕の事実を知るのだが……。

<レビュー>
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娘を変えたのは誰だ!?複雑な家族の事情とホラー映画の恐怖が合体
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ケヴィン・コスナーの主演作なのに、上映館がわずかしかないのは何とも寂し
い限り。それはともかく、彼が珍しくホラー映画に挑戦した作品です。

離婚して、2人の子供(姉&弟)を引き取って、田舎の家に越してきた父親。し
かし、まもなく娘のようすがおかしくなる。どうやら、その家には過去に忌ま
わしい出来事があったらしい……。

新しく住み始めた家で奇怪な現象が起きたり、家族が突然別人のようになって
しまうというのは、ホラー映画ではよくある話。しかし、主人公一家の複雑な
家庭事情や、年頃の娘と父親との微妙な関係などをホラー映画の恐怖とうまく
結び付けて、なかなか面白い映画に仕上げています。全体のバランスがとても
よくて、一歩間違えば完全なB級映画になりそうなところを、その直前で寸止め
しています。

映像も魅力的。家の中のとらえ方や父親の夢の中のモノクロ映像などに、セン
スの良さを感じさせます。「母に捨てられた娘」というキーワード、女王アリ
の話などのエピソードの組み込み方もよく考えられています。常に不気味に鳴
り響く不快な音などの効果音の使い方も巧みです。

後半になるにつれて、怖さはどんどん増幅。いったい一家に襲いかかる恐怖の
正体は何なのか。

ポイントは、家の裏に存在する古墳のような塚。そこに棲むのが"呪われた種族
"。こういうバケモノの出し方は、よほどうまくやらないと、怖いどころか笑っ
てしまうもの(ナイト・シャマランの映画みたいに)。しかし、そのあたりも
絶妙の出し方をしています。

クライマックスは娘を守ろうとする父親と"呪われた種族"とのバトル。そして、
何とも複雑な思いにさせるエンディングへ。ラストを、わかりやすいハッピー
エンドにしなかったところは素直に評価しますが、ちょっとあっけなさすぎる
感じもしました。

まあ、それでもこの手のホラー映画としては、まずまずの映画でしょう。何よ
り、かつての大スターのケヴィン・コスナーが、インディーズのホラー映画で、
妻に逃げられた疲れた男の役柄を演じるのが興味深いところ。とはいえ、落ち
ぶれ感もあまりなく、さすがの存在感を見せる役者魂に拍手。彼の娘役のイバ
ナ・バケロ(『パンズ・ラビリンス』)の危ない雰囲気も印象的でした。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年1月22日(土)池袋テアトルダイヤにて。午後1時50分の回


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