大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇


(2010年 日本)(上映時間2時間1分)
監督:本田隆一
出演:竹野内豊、水川あさみ、樹木希林、片桐はいり、荒川良々、橋本愛、で
んでん、山里亮太、柄本明
*新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://ookike.gaga.ne.jp/
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<ストーリー>
長い同棲生活を送り、新婚なのに早くも倦怠期のカップル、大木信義(竹野内
豊)と咲(水川あさみ)。新居に引っ越し早々、炊飯ジャーが見つからずモメ
る。そんな中、近所のスーパーへ出かけた咲は、怪しい占い師に地獄ツアーを
勧められる。翌日、咲と信義は1泊2日の温泉付き新婚旅行へ出かけるため、指
定されたスーパーの屋上へ行く。そこにあった薄汚いバスタブに体を沈めると、
2人は本当に地獄へと落ちてしまうのだった……。

<レビュー>
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地獄を旅行する新婚カップルを緩〜い笑いで描く
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新婚カップルが地獄へ旅行に行くというコメディー映画です。

主人公は同棲4年の末になし崩し的に結婚し、早くも倦怠期を迎えた新婚カッ
プル。ひょんなことからスーパーの奇怪な女占い師に勧められて、地獄への1泊
2日の旅行に出かけることに……。

地獄に旅行だなんて荒唐無稽な話だし、それを通して深い人間ドラマが描かれ
るわけでもありません。倦怠カップルが地獄でいろいろな経験をして、再び良
い関係になるというのがドラマと言えばドラマですが、それほどのものでもあ
りません。

ただし、笑いという点ではかなりの高得点。思わず「くだらねぇ〜」と言って
しまう緩〜い笑いが満載です。怪しい占い師&腹話術をする助手をはじめ、ワ
ケのわからん人物が、ワケのわからん行動をしまくります。地獄に行くという
のに、まるで普通の旅行のように「甘エビ付き」を勧めるバカバカしさ(ただ
し、本当の甘エビではありません)。

地獄への入り口は汚いバスタブ。そこから地獄へ行くと、さらに奇怪な人々や
不思議な出来事のオンパレード。サンバや象まで登場する謎の行列、2人に襲
い掛かる赤い人たち。それでも青い少女に助けられて、どうにかホテルに着く
2人。

着いたホテルは一見普通のホテルで、宿泊客も多数。しかし、主人は青い人。
しかも、部屋はエレベターのない高層階で、コスプレ部屋(?)があったりし
て。あらあら、なんと温泉はビーフシチュー?!

というわけで、人を食った笑いが続きます。よくもこれだけアホなことが考え
られるものです。

主人公カップルがお互いの会話のディテールを拾い合うセリフは、何だか小劇
場の芝居みたいだなと思ったら、原作・脚本は演劇界期待の若手、前田司郎だ
そうです。そして監督は『GSワンダーランド』の本田隆一。演劇とは違って
CGを使って地獄のようすを描くなど、映画的な工夫も楽しめます。

ただし、終盤は笑いが失速気味。それに代わって、主人公カップルと、青い少
女&弟達との交流を描いたり、ホテルの主人の身の上話を展開したりして、心
に訴えかける場面へと突入します(輪廻転生か?)。

しかし、たいしたドラマではありません。とってつけたようで心に響くものは
ナシ。そんなことよりも、単純にコメディーとして楽しむべき映画だと思いま
す。何にも考えずに思いっきり笑いましょう。

コメディ初挑戦の竹之内豊と水川あさみのカップルの掛け合いも楽しいけれど、
それ以上に脇役の怪演が見もの。樹木希林、片桐はいり、荒川良々、でんでん
(大量出没)などが、みんないい味出してます。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                            (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年5月19日(木)新宿バルト9にて。午後2時5分の回


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