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プリンセス トヨトミ
（2011年 日本）（上映時間1時間59分）
監督：鈴木雅之
出演：堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、笹野高史、和久
井映見、中井貴一、玉木宏
＊TOHOシネマズ有楽座ほかにて全国公開
http://www.princess-toyotomi.com/
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＜ストーリー＞
会計検査院の３人の調査官、松平元（堤真一）、鳥居忠子（綾瀬はるか）、旭
ゲンズブール（岡田将生）は、国家予算が正しく使われているかを調査するた
めに東京から大阪へやってくる。財団法人"ＯＪＯ（大阪城趾整備機構）"とい
う団体を調査した彼らは、いったんは問題なく調査を終える。だが、"鬼の松平
"の異名を持つ松平は、ふとしたことからその団体の不審な動きに気づく。まも
なく、松平の前に驚くべき人物が出現して……。
＜レビュー＞
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豊臣の末裔を巡る壮大な大阪の秘密に迫る検査官
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テレビドラマ化された『鹿男あをによし』、映画化された『鴨川ホルモー』な
どで知られる人気作家・万城目学の小説の映画化。『鴨川ホルモー』は荒唐無
稽なお話でしたが、今回はもっと荒唐無稽です。
会計検査院の３人の検査官が大阪にやってきて、予算の使われ方をチェック。
そんな中、ＯＪＯなる財団法人に不審な動きが見えて……。
いかにも優秀でスキのない松平、能天気な鳥居、クールなハーフのゲンズブー
ルという個性的な３人による検査風景が、コミカルで面白い前半。ただし、後
に大阪の機能が全停止することを冒頭で見せて、観客の心に謎の種をまきます。
その種が芽吹くのが、ＯＪＯなる団体の謎に松平が迫る中盤。はたして、その
団体は何なのか？どんな任務を果たしているのか？謎は膨らむばかり……。
と思ったら、あらまあ、あっさり真相の告白です。（以下、ネタバレといえば
ネタバレですが、早くも中盤でわかってしまうので書きます。知りたくなけれ
ば読まないで下さい。）
彼の前に現れたのは、なんと大阪国総理大臣を名乗る男。彼によれば、実は大
坂夏の陣で滅亡したはずの豊臣家の末裔が生き延びて、大阪府民は今もそれを
守っているというのです。しかも、大阪は明治政府によって独立国として認め
られ、毎年５億円が支給されているとか。
なんとも荒唐無稽でバカバカしいお話。それでも、検査官のリーダーを演じる
堤真一ＶＳ大阪国総理大臣を演じる中井貴一、という重みのある配役によって、
それなりにウソ臭さを消して説得力を持たせています。ＯＪＯの地下の秘密通
路や国会議事堂などの舞台装置も効果的に使っています。
とはいえ、あっさり秘密が明かされたのには拍子抜け。では、いったい豊臣の
末裔とは誰なのか。それもあっさり明かされてしまい２度目の拍子抜け。そし
て最大の拍子抜けは、冒頭の大阪の全機能停止の原因。え？そんなことなの？
たったそれだけのことで、あわや全面戦争？？？？？？ウソでしょう。
クライマックスは、大阪城周辺を舞台にした緊迫の会見。いったいこの先どう
なるのかと思えば、あらららら、なんだかベタベタの父子物語に突入してしま
いました。何だかなあ。
ミステリー的な要素、コメディーの要素、人間ドラマの要素などを盛り込んで、
ソツなくまとめた映画です。盛り上がるクライマックスを中心に、気楽に観れ
ばそれなりに楽しめそうな映画ではあります。
しかし、中途半端な感じは否めません。いっそのこと、本当に全面戦争でも展
開してくれたら潔かったのに。テレビ局（フジテレビ＆関西テレビ）がつくと、
こんなに優等生でおとなしい映画になってしまうのだろうか。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年5月29日（日）HUMAXシネマズ池袋にて。午後12時55分の回
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