レイン・オブ・アサシン(REIGN OF ASSASSINS)


(2010年 中国・香港・台湾)(上映時間2時間)
監督:スー・シャオピン、ジョン・ウー
出演:ミシェル・ヨー、チョン・ウソン、ワン・シュエチー、バービー・スー、
ショーン・ユー、ケリー・リン、グオ・シャオドン
*新宿武蔵野館ほかにて全国公開
ホームページ http://www.reignassassins.com/
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<ストーリー>
明朝時代の中国。武術の奥義を究めた達磨大師の遺体を手に入れようと暗躍す
る暗殺組織「黒石」が、宰相とその息子を殺す。ところが、「黒石」最強の女
刺客、細雨が、組織を裏切り達磨の遺体とともに姿を消す。やがて細雨は整形
によって顔を変え、曽静(ミシェル・ヨー)という別人になって都で暮らす。
その後、彼女は心優しい配達人の阿生(チョン・ウソン)と出会い結婚。だが、
ある時、銭荘(金融機関)で武装集団と鉢合わせしたことから、曽静は正体を
知られ、刺客たちに追われることになる……。

<レビュー>
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ミシェル・ヨーとチョン・ウソンが因縁のカップルを演じる武侠アクション
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『レッド・クリフ』のジョン・ウーが製作と監督(といっても監督はスー・シ
ャオピンとともに共同監督)を務めた武侠アクション映画。

手に入ればスーパーパワーが獲得できる達磨の遺体をめぐって、「黒石」とい
う暗殺組織が暗躍。だが、そのメンバーの女刺客、細雨が組織を裏切って失踪。
名医の秘術によって顔を変え、名前も曽静とあらためて過去を断ち切って都で
暮らす。まもなく心優しき阿生という男と知り合い、自らプロポーズして結婚。
幸せな日々を送っていたが、ある時、銭荘(金融機関)で武装集団と鉢合わせ
したことから、「黒石」に存在を知られてしまう……。

想像通り、ジョン・ウー監督お得意のワイヤーアクションと剣術が炸裂する映
画。ただし、全編アクションだらけというわけではありません。

冒頭は、達磨の遺体を狙う「黒石」と組織を裏切った細雨、さらに彼女が出会
って大きな影響を受けた陸竹という僧侶兼武術家などをめぐるエピソードをコ
ンパクトに紹介。

続いて前半は、顔と名前を変えて過去を捨てた曽静と、配達人の阿生との恋の
顛末を、ユーモラスな場面を交えながら描きます。ちょっとラブコメ風の展開。
プロポーズが女の曽静からというのも面白いところ。

そして中盤は、幸せな生活を送っていた曽静と阿生が武装集団と遭遇。それが
きっかけで「黒石」に正体を知られ、元の仲間に追われ、達磨の遺体探しに協
力するように求められます。

前半はほとんどなかったアクションが、中盤以降は全開になります。今や珍し
くもなくなったワイヤーアクションですが、ツボを心得た描き方で盛り上げま
す。

登場するキャラクターのユニークさも目立ちます。ナゾめいた「黒石」のボス
の転輪王、手品もどきの技を使う彩戯師、夫殺しで打ち首になるところを救わ
れた女剣士の綻青などなど。

それらに立ち向かう曽静。演じるミシェル・ヨーは、実年齢は今年で49歳。し
かし、まったく年を感じさせません。アクションのキレはもちろん、チョン・
ウソン相手の恋愛ドラマも違和感なし。まったくもって見事です。

それに比べて、阿生を演じるチョン・ウソンは影が薄いなぁ〜。良き夫ぶりは
発揮するものの、それ以上のものはなし……。

と思ったら、終盤になってあっと驚きの展開。実は阿生には大きな秘密があっ
て、それが明らかになるところから、彼の見せ場がタップリ登場。

クライマックスはいよいよ因縁の対決。そこからいったん悲劇と思わせておい
て、ポッと希望を灯すラストへ。

さすがにジョン・ウーが絡んだだけあって、アクションもドラマも、それなり
に見応えがあります。いえいえ、それより何よりこの映画は、ミシェル・ヨー
が輝きまくっている彼女のための映画ですね。

≪ぽちの満足度≫

★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                            (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年7月12日(火)アスミック・エース試写室にて


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