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ランナウェイズ（THE RUNAWAYS）
（2010年 アメリカ）（上映時間1時間47分）
監督・脚本：フローリア・シジスモンディ
出演：クリステン・スチュワート、ダコタ・ファニング、マイケル・シャノン、
ステラ・メイヴ、スカウト・テイラー＝コンプトン、アリア・ショウカット、
ライリー・キーオ、ジョニー・ルイス、テイタム・オニール
＊ シネクイントほかにて公開
ホームページ http://www.runaways.jp/
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＜ストーリー＞
ロックは男のものという時代だった1975年、ロック大好き少女のジョーン・ジ
ェット（クリステン・スチュワート）は、自分もロックをやろうとするが、誰
からも相手にされなかった。そんなある日、プロデューサーのキム・フォー
リーと出会い、女だけのティーンズ・バンドを結成するように勧められる。ま
もなくキムは、普通の女の子でいることに嫌気がさしていたシェリー・カー
リー（ダコタ・ファニング）をスカウト。平均年齢16歳のガールズ・バンド"ラ
ンナウェイズ"が結成される。やがて世界中で熱狂的な支持を得るランナウェイ
ズだったが……。
＜レビュー＞
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ガールズロックバンドの先駆者の2人を描いた青春音楽ドラマ
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時代は1975年。今でこそ女の子がロックをやっても珍しくも何ともありません
が、当時はロックは男のもの。そんな中、敢然と男社会に挑んで世界的に有名
になったガールズロックバンド「ランナウェイズ」の栄光と挫折を描いた青春
音楽映画です。
中心に描かれるのはギターのジョーン・ジェットとボーカルのシェリー・カー
リーの2人。ちなみに原作はシェリーの自伝。プロデューサーにはジョーンが名
を連ねています。
ロック好きでエレキギターを習おうと思ったのに「女には教えられない」と断
られたジョーン・ジェットは、名物プロデューサーのキムに自分を売り込みま
す。
一方、普通の女の子でいたくないシェリー・カーリーは、ド派手なファッショ
ンとメイクでクラブに出掛けたところをキムにスカウトされます。
こうして結成された「ランナウェイズ」は、強烈なキャラのキムの指導のもと、
あっという間にスター街道を駆け上がります。
そのようすをノリノリのテンポの良い映像で描いているのは、ミュージックビ
デオを数多く手掛けてきたフローリア・シジスモンディ監督。「チェリー・ボ
ム」などのランナウェイズのヒット曲以外にも、当時のロック・ミュージック
が満載です。
コワイものなしで、過激な歌詞とコスチュームで男社会に切り込んでいくジ
ョーンとシェリーの姿は、あぶなっかしくはあるものの、実に痛快で頼もしく
感じられます。
来日時のバンドのようすも面白いところ。ただし、料理屋のシーンなどなんだ
かヘンな日本も……。篠山紀信もどきのカメラマンも登場します。
こうしてスターになったものの、しょせんはプロデューサーの操り人形。ドラ
ッグやアルコールなども絡んで、やがてバンド内にすきま風が……。
やや物足りないのは、ドラマが薄味なところ。2人の友情と別れのドラマをクッ
キリと描いても良かったのでは？ シェリーの双子の姉やアル中の父親などが
登場して家族との葛藤のドラマも描かれるものの、そちらも盛り上がりに欠け
るのは否めません。
それでも、新バンドで人気を得てラジオ出演したジョーンに、シェリーが電話
をするラストシーンは、しみじみとした感動が伝わる良いシーンです。
何よりもこの映画の最大の見どころは、ジョーン役のクリステン・スチュワー
ト（『トワイライト』シリーズ）とシェリー役のダコタ・ファニングの演技。
演奏も２人が本当に演奏した本格的なものです。
特にダコタにはビックリです。あの『アイ・アム・サム』のダコタが、子役時
代からは想像もできない姿を披露。あんなことやこんなことまでしちゃってま
す。正直顔がまだ童顔なので、無理してる感はぬぐえませんが、それがドラマ
の中のシェリーの背伸び感と合致して不思議な魅力になっています。
なかなか興味深い映画です。ロック好きということもあって、個人的にはとて
も面白く鑑賞しました。「ランナウェイズ」を知らない人も一見の価値はあり
そうです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年3月13日（日）シネクイントにて。午後5時の回
[「ら」のページ] |
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