シャンハイ(SHANGHAI)


(2010年 アメリカ)(上映時間1時間45分)
監督:ミカエル・ハフストローム
出演:ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、フランカ・ポ
テンテ、ジェフリー・ディーン・モーガン、菊地凛子、ベネディクト・ウォン、
ヒュー・ボネヴィル、 デヴィッド・モース、渡辺謙
*丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://shanghai.gaga.ne.jp/
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<ストーリー>
1941年、太平洋戦争開戦前夜の上海。米国情報部員のポール(ジョン・キュー
ザック)は、殺害された親友の死の真相を明らかにするために捜査を始める。
親友の愛人スミコ(菊地凛子)は姿を消していたが、親友が裏社会の大物ラン
ティン(チョウ・ユンファ)の動向を探っていたことを知り、彼に接近する。
その過程で、ランティンの妻アンナ(コン・リー)、日本軍情報部のタナカ大
佐(渡辺謙)らと関わることになるのだが……。

<レビュー>
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豪華なセットやキャストは見ものだが、ドラマは中途半端
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ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、菊地凛子、渡辺謙と
いったインターナショナルなスターを集めたゴージャスな映画。

舞台となるのは太平洋戦争開戦前夜の1949年の上海。そこは、アメリカ、日本、
ドイツ、イギリス、フランスなど列強各国がひしめき合う、危険で怪しげな
「魔都」。アメリカ諜報部員のポールは、到着早々親友の死に直面。その死の
謎を追ううちに、親友が追っていた地元のマフィア、その妻、日本軍の大佐、
親友の愛人など、ナゾに満ちた人々と関わり合うようになる……。

前半は完全なミステリー仕立て。主人公のポールが殺害された親友の死の謎を
追います。特に目を引くのが豪華キャストに負けず劣らず、ゴージャスで本格
的な上海の街のセット。列強がひしめく一触即発の危険な香り、重苦しく、
ダークで謎めいた雰囲気などが実にリアルに表現されています。カジノや盛り
場のシーンをはじめ、東洋と西洋の文化が融合したエキゾチックなムードも漂
います。

そんな中で、ナゾを追う主人公。姿を消した親友の愛人スミコが事件の大きな
鍵を握るらしいことが発覚。さらに、地元のマフィア、その妻、日本軍の大佐
などのナゾに満ちた人々が現われて、事態を混乱させていきます。特にマフィ
アの妻アンナには、大きな秘密があることがわかり、主人公との間にも微妙な
関係が生じます。

危険な時代の危険な都市でのドラマらしく、銃撃戦や爆破シーンなどのアクシ
ョンも盛り込まれ、大いに盛り上がります。

さて、いったいその先にはどんなナゾが待ち受けているのか……。

と思ったら、途中からは完全な失速。期待した大きなナゾなどはなく、ミステ
リーとしては完全な肩透かし。謎解きは、うやむやに終わってしまいます。

その代わり、主人公のポールとマフィアの妻アンナの恋愛模様らしきものが描
かれ、ラスト近くは2人による逃避行が演じられます。しかし、ラブロマンス
として、きちんとした伏線が張られたり、2人の心の動きがしっかりと描かれ
ていないため、心に響いてくるものがありませんでした。

日本軍大佐とケイコという女性の関係もよくわかりません。2人は深い関係に
あったらしいのですが、そのあたりの経緯がまったく出てこないため、お手軽
な描き方にしか見えませんでした。

ミステリーにするなら、もっときちんとした謎解きのドラマにして、恋愛は添
え物にしたほうが良かったのでは?でなければ、逆に謎解きを前面に出さない
で、ラブロマンスを中心に持ってくるとか。

いずれにしても中途半端で物足りなさが残りました。さすがに役者はみんな存
在感がありますけれど(特にコン・リーは相変わらず……)。

≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆(+1/2★)
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年9月3日(土)池袋シネマ・ロサにて。午後3時30分の回


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