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新少林寺／ＳＨＡＯＬＩＮ（新少林寺／SHAOLIN）
（2011年 香港・中国）（上映時間2時間11分）
監督：ベニー・チャン
出演：アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、ファン・ビンビン、ジャッキー・
チェン、ウー・ジン、ユエ・ハイ、ユィ・シャオチュン、ション・シンシン、
シー・イェンレン
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://shaolin-movie.jp/
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＜ストーリー＞
清王朝が倒れて間もない中国。混沌が続く中、登封市にある少林寺では、僧侶
たちが戦火で傷ついた者たちの救助に奔走していた。冷血な将軍・侯杰（アン
ディ・ラウ）は、そんな少林寺に乗り込み、逃げ込んだ敵将を殺害する。だが、
その後、腹心の曹蛮（ニコラス・ツェー）の裏切りに遭い、今度は自ら少林寺
に逃げ込んだ彼は、心を入れ替えて出家を決意する。厨房で料理人・悟道（ジ
ャッキー・チェン）の手伝いをしながら修行に励む侯杰。やがて彼を捕らえよ
うと、曹蛮が大軍を率いて攻め込んでくるのだが……。
＜レビュー＞
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豪華セットを舞台に繰り広げる迫力のアクションと人間ドラマ
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1982年に日本でも大ヒットしたジェット・リーの出世作『少林寺』。その続編
……というわけではなく、少林寺を舞台にしてはいるもののまったく別のス
トーリーです。
舞台は1912年の中国。清朝が倒れ、軍閥による戦いが激化。人々が苦しむ中、
主人公の候杰将軍は覇権を握るために無慈悲に殺戮を繰り返す。義兄弟の契り
を変わした宋虎将軍が戦利品を狙っていると思い、愛する一人娘の婚約式の席
で彼を殺そうとする。しかし、将軍にそのことを見抜かれ、しかも腹心の曹蛮
が裏切ったことをきっかけに、娘が瀕死の重傷を負い、助けを求めて駆け込ん
だ少林寺で命を落としてしまう……。
この映画でまず目を引くのは、舞台となる少林寺のセットの素晴らしさ。壮麗
かつ荘厳なそのたたずまいは、まるでホンモノの由緒ある寺のようです。そこ
を中心に繰り広げられるのは、少林寺拳法を中心とした迫力のアクション。格
闘に加え、馬車アクション、剣による戦い、銃撃戦、爆破炎上シーンなど、リ
アルで迫力満点のアクションが堪能できます。
ドラマ的にも見応えがあります。基本は少林寺の僧たちが悪と戦うドラマなれ
ど、アンディ・ラウ演じる主人公の候杰将軍が元々は悪人だという設定が効い
ています。権力を握るために容赦なく敵を殺す軍閥のリーダーだった彼が、愛
する娘を死なせてしまったショックなどから、出家して少林寺の僧となって悪
と戦います。
主人公が悪から善に転化して、軍服から僧服にスタイルを変えるところは、と
もすれば不自然になりがちですが、そこにジャッキー・チェン演じる少林寺の
厨房係を登場させるなどして、無理のない展開に持っていきます。
中盤以降は、出家して浄覚となった候杰将軍をはじめ少林寺の僧たちが、残虐
な元腹心の宋虎将軍から庶民を守るために立ち上がるという展開。
そのバトルのクライマックスは２度あります。最初は宋虎将軍のアジトでのバ
トル。続いて少林寺を舞台にした最終決戦。その中では、浄覚の妻が宋虎将軍
によって目の前で殺されそうになるハラハラのシーンや、少年僧たちが兵士に
挑む痛快なシーン、武術はダメなはずのジャッキー・チェン演じる料理人が料
理の技を使って敵と戦うシーンなどお楽しみが満載。
そして、ハイライトはアンディ・ラウとニコラス・ツェーによる迫力の決闘
シーン。外国人たちによるド派手な攻撃の中、ギリギリの戦いを続ける２人。
最後は大仏の手を使ったケレン味あふれる仕掛けを見せつつ、単なる勧善懲悪
のハッピーエンドとは違う、余韻の残る結末を迎えます。
アクション映画でありながら、正義と悪、仏法の教え、殺戮の無益さなど、
様々な要素を組み入れたドラマも充実。エンターティメントとして、なかなか
よくできた作品です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年8月23日（火）アスミック・エース試写室にて
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