ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN)


(2009年 ドイツ・フランス・イタリア)(上映時間1時間39分)
監督・脚本:ファティ・アキン
出演:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、ビロル・ユーネ
ル、アンナ・ベデルケ、フェリーネ・ロッガン、ルーカス・グレゴロビッチ、
ドルカ・グリルシュ、ボータン・ビルケ・メーリング、デミール・ゲクゲル
*シネマライズほかにて公開
ホームページ http://www.bitters.co.jp/soulkitchen/
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<ストーリー>
ドイツのハンブルクで、常連客だけが頼りのレストラン「ソウル・キッチン」
のオーナー・シェフを務めるギリシャ系移民の青年ジノス(アダム・ボウスド
ウコス)は、恋人が仕事で上海に赴任してしまう。おまけに、税務署から滞納
した税金を督促され、さらに腰を痛めてしまう不運に見舞われる。そんなある
日、新しく雇ったシェフの料理が評判を呼び、店は大繁盛となる。ジノスは恋
人のいる上海に向かうため、服役していた兄イリアスに店の経営をまかせよう
とするのだか……。

<レビュー>
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庶民的なレストランを舞台にした若々しさあふれる人情コメディー
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ドイツのファティ・アキン監督による人情コメディー。ハンブルグの「ソウ
ル・キッチン」というレストランを舞台に、オーナー・シェフや周囲の人々の
波乱の日々をユーモラスに綴ります。

「ソウル・キッチン」は常連客にお手軽料理を提供して、どうにかやりくりし
ている店。しかし、オーナー・シェフが腰を痛めたのをきっかけに、常連客が
逃げ出して店は閑古鳥。ところが、新しい客がシェフの料理を気に入ったのを
皮切りに今度は大繁盛。

これでメデタシ、メデタシとなるかと思いきや、今度はある男に店の土地を狙
われてさあ大変。そんな中、恋人のいる上海に行きたいオーナー・シェフは、
刑務所から仮出所中の兄に経営をまかなようとするものの……。

というわけで、めまぐるしく変わるソウルキッチンの状況に加え、オーナーシ
ェフや周辺の人々の運命も大揺れです。

それをノリの良い音楽に乗せて、テンポよく描いています。こんなにたくさん
の出来事を盛り込んでいるのに、少しも窮屈になっていないからたいしたもの。
若々しさにあふれた脚本と演出です。

しかも全編笑いの連続。なにしろ登場人物のキャラが秀逸。一見二枚目風なれ
ど、よく見れば微妙な主人公のオーナー・シェフは、映画のほとんどで腰を痛
めた情けない姿をさらします。

そのほかにも、ギャンブル好きの兄、包丁投げを得意とする(?)変人シェフ、
よくわからないけど店に居候する船長など、いずれも強烈な個性の持ち主ばか
り。そんな彼らのドタバタぶりを観ているだけで、自然に笑みがこぼれてきま
す。

登場人物たちの店に対する愛情のようなものが、押し付けがましくなく伝わっ
てくるのも魅力です。ありがちな話で驚くような展開はないけれど、それでも
まったく飽きませんでした。ラストのさりげない終わり方も心憎いばかり。

料理の映像も良いアクセントになっています。ジャンクフードから本格的な料
理まで、様々な料理が適所に登場。

人間味にあふれたコメディー映画です。深いドラマがあるわけではありません
が、楽しく笑って、幸せな気分になれるはず。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆(+1/2★)
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年2月19日(土)シネマライズにて。午後4時55分の回


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