酔拳 レジェンド・オブ・カンフー(TRUE LEGEND/蘇乞兒)


(2010年 中国)(上映時間1時間55分)
監督:ユエン・ウーピン
出演:チウ・マンチェク、ジョウ・シュン、グオ・シャオドン、ジェイ・チョ
ウ、ミシェル・ヨー
*6月25日(土)よりシネマート六本木ほかにて公開予定
ホームページ http://www.suiken-movie.jp/
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<ストーリー>
1861年、清朝戦乱の時代。親王を救出したスー・サン(チウ・マンチェク)は、
妻シャオイン(ジョウ・ シュン)の兄ユアン(アンディ・オン)に功績を譲り、
家族と静かな日々を送る。5年後、長官となったユアンは、スーの父親を殺害
する。武術の正道を外れた自分の父親が、スーの父に殺されたことを恨んでの
殺害だった。一人息子のフォンを奪われ、ユアンの一撃によってスーは瀕死の
重傷を負うが、医者のユ(ミシェル・ヨー)に助けられ、シャオインの励まし
でリハビリと特訓に励む。だが、やがてシャオインはスーの不審な行動から彼
が気がふれたと思い込み、1人でフォンの救出に向かう……。

<レビュー>
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「酔拳」の生みの親を描く迫力のアクション映画
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ジャッキー・チェン主演『ドランクモンキー酔拳』で有名になった酔拳。この
映画の監督で『マトリックス』のアクション監督なども務めたユエン・ウーピ
ン監督が、酔拳の生みの親といわれる伝説の武術家を描いたアクション映画で
す。

冒頭は合戦シーン。親王を救出した主人公スー・サンは、知事の座を固辞し、
妻の兄であるユアンに譲ります、その後、妻や息子と静かに暮らしていたスー
ですが、やがてユアンに父を殺されます。実は、かつて「五毒邪拳」なる技を
習得して武術の正道を外れたユアンの父親は、スーの父親に殺されていたので
す。ユアンはその復讐を果たしたのでした。

ユアンはスーの父親を殺害した際に、スーの息子を奪います。重傷を負い激流
に落ちたスーは、妻とともに医者に助けられ、息子を取り戻すためにリハビリ
と修行に励みます。しかし、まもなく妻はスーが狂ったと思い、1人で息子を
取り戻すためにユアンのところへ向かいます……。

なにやら込み入った話のようにも思えますが、基本はシンプルな復讐劇と救出
劇です。それほど深みのあるドラマではありません。強引だったり、不自然な
ところも目立ちます。主人公の義兄ユアンが操る「五毒邪拳」などは、ほとん
どアニメやゲームの世界のような技。

しかし、そんな細かなことを気にしてはいけません。この映画の見どころはア
クションです。全編スリリングで迫力タップリのアクションが満載。剣による
チャンバラや肉弾相打つカンフー・アクションが、これでもかとばかりに繰り
出されます。

CGもたくさん使っていますが、基本となる武術がしっかりしているので、そ
れほど違和感はありません。戦いの舞台となる大自然の雄大かつ険しい風景な
ども、大いに雰囲気を盛り上げています。中盤リハビリ&修行中のスーが、幻
覚らしき男達と戦いを繰り返すところも脱線気味の展開ながら、アクション的
には見応えがあります。

クライマックスは二度あります。最初は、妻の後を追ったスーとユアンとの圧
巻の戦い。壮絶なバトルです。

続いては中露国境近くの町を舞台にした意表を突いた戦い。失意のスーは息子
とともに乞食生活を送り、酒びたりになります。そんな中、ひょんなことから
戦いの場に上がり、なんと異国のプロレスラーたちと戦います。相手はプロレ
ス技の連続。それに酔拳で対抗するスー。虎まで登場するド派手なクライマッ
クスです。

俳優陣もなかなかの豪華版。個人的には主人公の妻役のジョウ・シュン(『ふ
たりの人魚』)が好印象。貫禄のミシェル・ヨーも相変わらずの存在感。外人
レスラーのリーダー役で、この映画の後に亡くなった『燃えよ!カンフー』の
デヴィッド・キャラダインの姿にも感慨深いものがありました。

とにかくアクションがテンコ盛りの映画です。細かいことは気にしないで、そ
こを楽しんでください。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年5月16日(月)シネマート六本木試写室にて。


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