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台北の朝、僕は恋をする（AU REVOIR TAIPEI）
（2009年 台湾・アメリカ）（上映時間1時間25分）
監督・脚本：アーヴィン・チェン
出演：ジャック・ヤオ、アンバー・クォ、ジョセフ・チャン、クー・ユールン、
カオ・リンフェン
＊新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。順次全国
公開
ホームページ http://aurevoirtaipei.jp/
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＜ストーリー＞
恋人がパリに留学してしまった台北の青年カオ（ジャック・ヤオ）は、両親が
営むレストランを手伝いながら、いつか彼女の元へ行きたいと本屋でフランス
語の教本を立ち読みしていた。そんなある日、パリの彼女から電話で別れを告
げられ慌てたカオは、すぐに会いに行こうと、顔見知りの不動産屋に旅費を借
りる。その交換条件として怪しげな荷物の運搬を頼まれたことから、いつも行く
本屋の店員スージー（アンバー・クォ）と一緒に、夜の台北を走り回ることに
なるのだが……。
＜レビュー＞
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愛らしくキラキラ輝く台湾の青春ラブ・コメディー
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台湾・台北の街を舞台に、初々しい恋の始まりを描いた青春ラブ・コメディー。
あのヴィム・ヴェンダースが製作総指揮に名を連ねています。
パリに行ってしまった彼女のことを思い、いつか自分もパリに行きたいと本屋
でフランス語の教本を立ち読みする青年カイ。そんな彼に声をかける店員の
スージー。やがて、パリの彼女から別れを告げられたカイは、焦ってパリに渡
ろうとして、両親の店の常連客の不動産屋に渡航費用を借ります。ところが、
その交換条件として、ある「ブツ」を運ぶよう命じられたことからさあ大変…
…。
よくあるストーリーですが、ラブコメとしてのツボをしっかり押さえた映画で
す。ラブコメといっても笑いに走りすぎない抑制的な描写が印象的。カオがパ
リの彼女から電話で別れを告げられるシーンなど、巧みなバランス感覚です。
何より魅力的なのが、ドラマの中心をカオがパリに出発する前夜に絞ったこと。
「ブツ」を預かった彼が、警察や不動産屋の社員などに追われて、本屋の店員
のスージーとともに台北の夜の街を逃げ回る設定が効いています。
その一夜を心に染みる美しい映像で、空気感までみずみずしく描写。若者たち
のキラキラした輝きがごく自然に映し出されています。おかげで、逃走劇を通
してカオとスージーが心を通わせるところが、無理なく、説得力を持って伝わ
ってきます。
いかにもパリのカフェでかかっていそうな小粋な音楽（フィドルなどをフィー
チャーした）も、雰囲気作りに大きく貢献しています。
登場人物はみんな愛すべきキャラ。極悪人は登場しません。彼らに対する作り
手の温かな視線が感じられます。
そして、スージー役のアンバー・クォのカワイさが絶品。台湾では歌手として
も人気の高い国民的スターだそうですが、あの笑顔だけでハートがズキュ
ン！！
相手役のジャック・ヤオから脇役に至るまで、その他のキャストも適役ばかり。
余韻を残すエンディングにも感心。恋の始まりをグダグダとセリフで語らせた
りせずに、ほほえましく、さりげなく描き、ダンスシーンになだれ込むミュー
ジカル的な展開。爽やかな気持ちになれるエンディングです。
アメリカ育ちの台湾人で、本作が長編デビューのアーヴィン・チェン監督。な
かなかの才能の持ち主のようです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年3月13日（日）新宿武蔵野館にて。午後12時30分の回
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