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探偵はＢＡＲにいる
（2011年 日本）（上映時間2時間5分）
監督：橋本一
出演：大泉洋、松田龍平、小雪、西田敏行、田口トモロヲ、波岡一喜、有薗芳
記、竹下景子、石橋蓮司、松重豊、高嶋政伸、マギー、安藤玉恵、榊英雄、片
桐竜次、桝田徳寿、カルメン・マキ、本宮泰風、吉高由里子、街田しおん、阿
知波悟美、野村周平、新谷真弓、中村育二
＊丸の内TOEIほかにて全国公開
ホームページ http://www.tantei-bar.com/
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＜ストーリー＞
札幌のススキノで探偵稼業を営む"俺"（大泉洋）は、ケータイを持たず、行き
つけのバーの黒電話で依頼を受けていた。ある日、その黒電話に"コンドウキョ
ウコ"と名乗る女からの奇妙な依頼が舞い込む。簡単な依頼と引き受けるが、危
うく死にかける探偵。助手の高田（松田龍平）とともに調べを進めていくうち
に、謎の美女・沙織（小雪）と出会い、奇怪な事件へと巻き込まれていくのだ
が……。
＜レビュー＞
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風変わりでハジケた探偵ドラマ。昔の日本映画の香りも……
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札幌在住の作家東直己の"ススキノ探偵シリーズ"の一編を映画化。
冒頭は、主人公の探偵"俺"とその助手の高田のキャラクターを強烈に印象付け
るアクションシーン。
続いてある会社社長のパーティーのシーン。そこにたまたま現われる探偵。そ
して直後に起きる社長殺人事件。
話は1年後に飛んで、探偵にある女からの依頼が来る。引き受けた彼は危うく死
にかけ、それをきっかけに放火事件のナゾを追うことに。そして、それが冒頭
の社長殺人事件とつながっていく……。
正直なところ、ミステリーとしての魅力には欠けます。最後にどんでん返しが
あるものの、事件の構図そのものはそれほど凝ったものではありません。探偵
たちによる謎解きの過程もごく普通。
しかし、この映画にはそれ以上の魅力があります。何より面白いのが大泉洋演
じる探偵と松田龍平演じる助手のキャラクター。探偵はまるで、かつて松田優
作が演じた「探偵物語」（TVドラマ）の主人公。ハードボイルドを気取った言
動。しかし、どこか抜けていてハチャメチャな行動を繰り返す。そのクセ、ど
うしても許せないことに対しては真剣に怒りをぶつける……。一方、相方の高
田は、北大農学部の助手で、いつも眠ってばかりいる男。
そんな２人による絶妙な掛け合いが最大の見どころです。思わず笑ってしまう
やり取りが満載。高田が運転するポンコツ車に、２人で優しく話しかけてエン
ジンをかけるシーンなど、細かなディテールまでよく考えられています。
しかも、ただ笑えるだけでなくシリアスな場面もキッチリ描くメリハリある展
開。特にアクションは本格的。かなり壮絶なバイオレンスシーンも飛び出しま
す。
脇役も魅力的です。小雪、西田敏行、田口トモロヲ、有薗芳記、石橋蓮司、松
重豊、高嶋政伸などが、個性的な演技を披露。安藤玉恵のエロ全開なウェイト
レスにも笑わせられました。
いったん事件の真相らしきものが見えた後が、やや冗長になるのが惜しいとこ
ろ。それでも、ラストにはどんでん返しが用意され、スタイリッシュかつ哀愁
漂う銃撃シーンで盛り上がります。ラストに流れるカルメン・マキ（劇中にも
登場）の歌と、その後のひとネタも印象的。
監督の橋本一は東映生え抜きのいまどき珍しい社員監督。他にも東映製作のテ
レビドラマ「相棒」に参加しているスタッフが目立つせいか、少し昔の日本映
画のテイストを感じさせる映画です。
というわけで、ぜひとも続編に期待したいところ。そうなれば、２人の名コン
ビぶりにもさらに磨きがかかるのでは？
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年9月10日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時の回
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