ザ・タウン(THE TOWN)


(2010年 アメリカ)(上映時間2時間3分)
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック、レベッカ・ホール、ジョン・ハム、クリス・クー
パー、ブレイク・ライブリー、ジェレミー・レナー、ピート・ポスルスウェイ
*丸の内ルーブルほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/thetown/
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<ストーリー>
全米一、銀行強盗発生率の高い街ボストン・チャールズタウンで育ったダグ
(ベン・アフレック)は、かつては輝かしい将来を夢見ていたが、今では仲間
とともに強盗を繰り返す日々。ある日、彼は仲間たちとともに銀行を襲撃する
が、人質にしたあとで解放した支店長のクレア(レベッカ・ホール)と思いが
けず交流を持ち、自らの素性を明かさないまま彼女に惹かれていく。そんな中、
ダグたちにFBIの捜査の手が迫るのだが……。

<レビュー>
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エンタメ性と陰影あるドラマが組み合わさった骨太の犯罪ドラマ
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ベン・アフレック監督・主演の犯罪ドラマです。派手さと渋さがうまくミック
スされた骨太の作品です。

オープニングは舞台となる、全米一、銀行強盗発生率の高い街の説明。これが
ドラマの背景として重要な意味を持ちます。

続いて登場するのが緊迫の銀行強盗シーン。この事件を含めて3件の強盗事件を
めぐる犯人グループとFBIとの戦いをスリリングに描きます。カーチェイスや銃
撃戦など、いかにも犯罪映画らしい醍醐味にもあふれています。

それに加え犯人の1人である主人公ダグと、最初の事件の被害者である銀行の支
店長のクレアとの恋愛ドラマも描かれます。監視のためにクレアに近づいたも
ののどんどん彼女に惹かれるダグ。それを知らずにダグに好意を持つクレア。
そんな2人の心の内がリアルに描写されます。

そして、この映画のもう一つの柱がダグの生き直しのドラマです。犯罪都市に
生まれ、母が消え、父もやがて人を殺して終身刑になったダグ。一度はホッ
ケー選手として成功する夢に近づきながら夢破れ、自分も犯罪に手を染めてい
ます。しかし、それでも彼は、何とか過去と決別して、生き直したいともがき
苦しんでいます。そんなダグの生き様が陰影をもって語られます。

後半、ダグたち犯人グループの間近にFBIの手が迫ります。足を洗おうとするダ
グですが、ある理由から断れなくなってしまいます。しかも、クレアとの関係
にも大きな転機が訪れます。

クライマックスは野球のスタジアムでの迫力のアクション。怒涛の銃撃戦が展
開されます。

そして、ラストではさりげなく未来への希望を灯します。やや甘い感じはする
ものの、余韻の残るラストなのは確かです。

主演のベン・アフレックに加え、レベッカ・ホール、ジョン・ハム、クリス・
クーパー、ブレイク・ライブリー、ジェレミー・レナー、ピート・ポスルスウ
ェイなど実力派の脇役陣の存在感も見逃せません。

エンタメ性も確保しつつ、陰影あるドラマを組み合わせて線の太い映画を作っ
たベン・アフレック。一時は典型的なハリウッドスターになりかけたものの途
中で失速。でも、そのおかげでこういう作品を作るようになったのだから、結
果的には良かったのでは? 今後も大いに注目です。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆(+1/2★)
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2011年2月7日(日)新宿ミラノ1にて。午後1時50分の回


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