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アンノウン（UNKNOWN）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間53分）
監督：ジャウマ・コレット＝セラ
出演：リーアム・ニーソン、ダイアン・クルーガー、ジャニュアリー・ジョー
ンズ、エイダン・クイン、ブルーノ・ガンツ、フランク・ランジェラ
＊丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/unknown/
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＜ストーリー＞
学会出席のため妻エリザベス（ジャニュアリー・ジョーンズ）とベルリンを訪
れたアメリカ人植物学者のマーティン・ハリス博士（リーアム・ニーソン）。
ホテルへ着いたところで忘れ物に気付き、タクシーで空港へ引き返そうとする
が、その途中で交通事故に遭い昏睡状態に陥る。そして、目覚めると妻はマー
ティンを「知らない人だ」と言い放つのだった。しかも、彼女のそばには別の
マーティンがいた。混乱するマーティンは、不法移民のタクシー運転手ジーナ
（ダイアン・クルーガー）と元秘密警察の男ユルゲン（ブルーノ・ガンツ）の
協力で謎の解明に立ち上がるのだが……。
＜レビュー＞
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身元をなくした男の運命。演技派が演じる本格アクション・サスペンス
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『シンドラーのリスト』『マイケル・コリンズ』などで重厚な演技派として知
られるリーアム・ニーソン。しかし、2008年の『96時間』では、ド派手なアク
ションにチャレンジ。この映画もその流れを受け継いだアクション・サスペン
スです。
学会に出るためにドイツ・ベルリンに着いたアメリカ人植物学者のマーティ
ン・ハリス博士と妻のエリザベス。しかし、ホテルに着いたところで荷物を忘
れたことに気付き、マーティンは１人タクシーで空港へ。その途中で交通事故
に遭った彼は昏睡状態となり、病院で目覚めてホテルに戻ると、妻は「知らな
い人だ」。そして、別人のマーティンも出現。
混乱するマーティンだが、何者かに命を狙われたことから陰謀の存在を確信し、
不法移民の女性タクシー運転手と元秘密警察の男の協力で謎に立ち向かう。そ
して浮かび上がる驚愕の真実。マーティンは過去の自分の行動の落とし前をつ
けるために、危険を顧みず突進するのだった！！！
というわけで、なかなか凝ったストーリーです。マーティンが本当に記憶喪失
なのか、あるいは大きな陰謀の犠牲になったのか、観客に大きな謎を突きつけ
ます。後半にいったん真実らしきものを見せておいて、「実はその裏には、さ
らに驚きの真実があった！」というのもよく考えられた仕掛けです。
主人公の混乱を、彼の目線の映像や過去の断片的な記憶のフラッシュバックで
表現する演出も見応えがあります（監督は『エスター』のジャウマ・コレット
＝セラ）。
ただし、そうはいっても目新しさはありません。よくあるアクション・サスペ
ンスの枠内の映画。
それをこれだけ面白くしているのは、やはり主演のリーアム・ニーソンの功績
でしょう。前半で主人公の混乱や苦悩、怒りをリアルに見せる演技は、さすが
に演技派の面目躍如。ただのアクションスターとは違います。
そして、後半を中心に炸裂するアクション。スリリングなカーアクションやバ
トルアクションなどは、『96時間』に負けず劣らずキレがあります。
彼のような演技派の役者が、ある程度のキャリアを重ねた後に本格的アクショ
ンもこなすようになるのは、稀有な例ではないでしょうか。
クライマックスはホテルを舞台にしたギリギリの攻防戦。派手な爆破シーンも
登場しておおいに盛り上がります。事件が決着してからのさりげない後日談も、
好感の持てるエンディングです。
脇役では、元秘密警察の男を演じたドイツの名優ブルーノ・ガンツの存在感が
光ります。タクシー運転手役のダイアン・クルーガーも、個人的には好きなタ
イプの女優さん。
あえて欠点をあげれば、やや駆け足の展開があるところでしょうか。それでも、
脚本、演出、演技ともに見どころタップリで、エンタメ映画としては十分に楽
しめる映画だと思います。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年5月7日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時45分の回
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