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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
（2010年 日本）（上映時間1時間50分）
監督：瀬田なつき
出演：大政絢、染谷将太、三浦誠己、山田キヌヲ、鈴木卓爾、宇治清高、田畑
智子、鈴木京香
＊角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほかにて全国公開
ホームページ http://www.usodakedo.net/
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＜ストーリー＞
小学生姉弟の失踪と、連続通り魔殺人事件に揺れる町に住む「まーちゃん」こ
と高校２年生の御園マユ（大政絢）は、幼い頃に誘拐監禁事件の被害者となり、
それ以来重たいトラウマを抱えていた。ある日、マユのマンションに同じ事件
の被害者で幼なじみの「みーくん」（染谷将太）が姿を現わす。みーくんは、
そこで行方不明になっていた小学生姉弟の姿を発見する。まーちゃんが誘拐し
たのだ。それでもみーくんは、まーちゃんを守るべく奮闘するのだが……。
＜レビュー＞
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深く傷ついた男女の青春ラブストーリーをポップに描く
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人気ライトノベル作家・入間人間のデビュー作の映画化。
10年前の猟奇的な誘拐事件の被害者となり生き延びた幼なじみの男女。まーち
ゃんこと高校2年生の御園マユは、あの事件以来心は壊れたまま。そんな彼女の
前に、ある日、同じ事件の被害者のみーくんが姿を現わします。みーくんは、
まーちゃんが行方不明になっている小学生姉弟を誘拐していたことを知ります
が、必死に彼女を守ろうとします。
深く傷ついた心を持つ2人の男女の青春ラブストーリーがこの映画の柱。そこに
同時進行で起きる猟奇殺人事件をめぐるサスペンスが絡み、さらに2人の男女が
被害者となった10年前の誘拐事件の真相も描かれます。
全体の構成がユニーク。深刻なストーリーにも関わらず、あまりにもぶっ飛び
すぎのキャラクターのまーちゃんとみーくんの言動が笑いを巻き起こします。
みーくんが突然身投げするなど、筋運びも一筋縄ではいきません。
ポップな映像があちこちに登場するのも大きな特徴。みーくんが空を飛ぶファ
ンタジー的なシーンなどもあります。若々しい感性が爆発して、まるで玩具箱
をひっくり返したような面白さ。普通の青春物語ならともかく、猟奇的な事件
を扱った映画で、こういうタッチの作品はあまり観たことがありません。
みずみずしさにあふれた大政絢、染谷将太に加え、鈴木京香、田畑智子なども
安定感のある演技。ちなみに、10年前の誘拐犯役の鈴木卓爾は、『私は猫ス
トーカー』『ゲゲゲの女房』の監督。
ただし、ひっくり返した玩具箱はいつか元通りにしなければいけないもの。し
かし、この映画では、後半に行っても散らかったまま。おかげでドラマの線が
細くて伝わるものがあまりありませんでした。青春ラブストーリーも、サスペ
ンスも、傷ついた人間の再生のドラマも、どれも弱すぎます。ラストも、何だ
かわざとらしい感じ。
狙いは面白いし、これがメジャー作品デビューだという瀬田なつき監督の才能
も十分に感じさせますが……。まあ、次回作に期待しておきます。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年1月26日（水）角川シネマ新宿にて。午後2時の回
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