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ウッドストックがやってくる！（TAKING WOODSTOCK）
（2009年 アメリカ）（上映時間2時間1分）
監督：アン・リー
出演：ディミトリ・マーティン、エミール・ハーシュ、イメルダ・スタウント
ン、ポール・ダノ、ケリ・ガーナー、ダン・フォグラー、ヘンリー・グッドマ
ン、リーブ・シュレイバー
＊ヒューマックスシネマ渋谷ほかにて公開
ホームページ http://ddp-movie.jp/woodstock/
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＜ストーリー＞
1969年夏。ニューヨーク郊外の小さな町ホワイトレイクで、両親が経営してい
るモーテルを夏の間手伝うエリオット（ディミトリ・マーティン）。だが、
モーテルは借金がかさみ、銀行から営業停止を迫られる。そんな中、別の町で
行われる予定だったウッドストック・フェスティバルが住民の反対でキャンセ
ルになったことを知った彼は、町おこしのために地元に誘致しようとするのだ
が……。
＜レビュー＞
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伝説の野外フェスの舞台裏と人々の熱気をリアルに伝える
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1969年に行われた歴史的な野外音楽イベント"ウッドストック・フェスティバル
"を舞台にした青春ストーリー。監督は『ブロークバック・マウンテン』『ラス
ト、コーション』のアン・リー。
主人公の青年エリオットの実家は、さびれた小さな町のモーテル。ボロボロで
サービスも悪く客も来ないため、大赤字で借金まみれ。エリオットがなんとか
しようとするものの、どうにもなりません。
そんな中、近隣の町で開催予定だったウッドストック・フェスティバルが、住
民の反対で開催を拒絶されたと知ったエリオットは、「町おこしになるし、実
家のモーテルもウハウハだ！」と誘致を計画。自分が商工会の会長なのを利用
して独断で誘致を決めて、フェスの関係者にコンタクトをとります。
こうしてエリオットが誘致に乗り出してから、フェスが終わるまでの舞台裏を
ユーモアを交えながら描いたのがこの映画です。
ほとんど思いつきで誘致しただけに、開催までには問題山積。会場の地主が高
い賃料をふっかけてきたり、保守的な地元住民たちから冷たい仕打ちを受けた
り……（お金が儲かるからと歓迎する人もいますが）。
そんなあれこれを乗り越えていく経緯は、なかなか興味深いものです。ベトナ
ム戦争やアポロ11号の月面着陸など当時の時代性も背景として描かれます。
そして、ついに開幕するフェスティバル。しかし、ステージのようすは一切映
されません。その代わり、そこに集った人々の生態を通して、それがいかに破
格のイベントだったのかを伝えます。
ラブ＆ピース、戦争反対、女性差別反対など様々なスローガンを掲げたり、ド
ラッグを心ゆくまで楽しんだり。広大な土地に雑多な人々が集い、とてつもな
いエネルギーを生み出していく。もはやそれはただの音楽フェスではなく、1つ
のカルチャー。そんな雰囲気が伝わってきます。
エリオットという等身大の若者を通して、伝説のイベントの実像を観客に見せ
るというアン・リー監督の仕掛けが、見事に成功しています。
ただ残念なのは、軸になるエリオットの青春ストーリーが弱いこと。親との葛
藤を抱える彼が、フェスを通じて自分を解放し、自立していくという成長物語
がイマイチ物足りない感じもします。
それでも、歴史的イベントの舞台裏を知るうえでは、よくできた実録物語です。
ある意味、ドキュメンタリーよりもドキュメンタリーらしい映画。そのぐらい
リアルに当時のようすを伝えてくれます。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2011年1月16日（日）ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後4時の回
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