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ＢＵＮＧＯ〜ささやかな欲望〜 見つめられる淑女たち
（2012年 日本）（上映時間 1時間35分）
監督：冨永昌敬（「注文の多い料理店」）／西海謙一郎（「乳房」）／熊切和
嘉（「人妻」）
出演：石原さとみ、宮迫博之（「注文の多い料理店」）／水崎綾女、影山樹生
弥、塩見三省（「乳房」）／谷村美月、大西信満（「人妻」）
＊角川シネマ有楽町ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://bungo-movie.jp/
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＜ストーリー＞
・「注文の多い料理店」（原作：宮沢賢治）
〜不倫カップルの藤子（石原さとみ）と左右吉（宮迫博之）は、猟の途中でレ
ストラン「山猫軒」を発見する。メニューに書かれた「どなたもどうかお越し
ください。決して遠慮はありません」「ことに肥った方や若い方は、大歓迎い
たします」などという言葉を奇妙に思いつつ、中に入っていく2人だったが……。
・「乳房」（原作：三浦哲郎）
〜中学生の寛次（影山樹生弥）は、自分の乳房が膨らむ夢に悩まされていた。
しかも、実際に触るとしこりもあり、痛い。そんな中、寛次は理髪店の女店
主・かな江（水崎綾女）の豊かな乳房を見てしまう。かな江の乳房が忘れられ
ない寛次は、翌日理髪店に行くのだが……。
・「人妻」（原作：永井荷風）
〜町外れの家を間借りした桑田（大西信満）は家主の妻・年子（谷村美月）の
ことが気になって仕方がない。彼女と夫との夫婦生活を垣間見て悶々とする
日々を過ごす桑田。そんなある日、年子の夫が留守の晩に、桑田が帰宅すると、
そこには縄で縛られた年子がいた……。
＜レビュー＞
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昭和の「文豪」の短編が原作のオムニバス。エロい女？
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そういえば最近「文豪」という言葉を聞かないなぁ。例えば村上春樹は、どん
なに時間が経っても文豪とは呼ばれない気がするし。
それはともかく、昭和の文豪と呼ばれた6人の作家の短編が原作の6作品による
オムニバス映画。一応、3作品ずつ『見つめられる淑女たち』『告白する紳士た
ち』という2本の映画に分けていますが、区分けはあんまり意味がないみたいで
す。
以下、『見つめられる淑女たち』の3作品の感想です。
・「注文の多い料理店」
〜ご存知、宮沢賢治の有名な小説を『乱暴と待機』などの冨永昌敬監督が映画
化。原作の骨子はそのままに、不倫カップルの愛憎劇を絡ませているところが
ユニーク。テンポのよさや音楽の使い方などは、いかにも冨永監督らしいとこ
ろ。ブラックなコメディーとして気軽に楽しめます。できれば2人の不倫の顛末
と料理店のエピソードをもっとつなげて欲しかったけれど。主演の石原さとみ
が、最近とみにキレイになったのが印象的。
・「乳房」
〜思春期の少年と人妻のちょっぴりエロチックなドラマ。体の変化に悩む少年
の混乱ぶりと、夫を戦争に取られた人妻の微妙な心情がリアルに伝わってきま
す。いかにもあの年頃の少年らしい感じの影山樹生弥と、ヤバイぐらいにエロ
い水崎綾女の演技も見もの。
・「人妻」
〜永井荷風らしいお話。若夫婦の家に間借りした若い男が、アレコレ妄想を膨
らませて悶々とします。男が2人に分身（？）して、なんだかんだと言い合った
り、怪しげな酒場で太目のダンサーが単調な踊りを披露したりと、ユニークで
シュールな場面がたくさん登場します。惜しむらくは、人妻役の谷村美月は妖
艶というよりはカワイイ奥さん。監督が『海炭市叙景』の熊切和嘉なので、そ
のつながりでキャスティングされたのかもしれませんけどね。
＜結論＞どれもそれなりに楽しめます。文豪と呼ばれる人たちの作品の入り口
としても、観ても損はないかも。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（78点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年9月11日（火）角川映画試写室にて
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