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ドラゴン・タトゥーの女（THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO）
（2011年 アメリカ）（上映時間2時間38分）
監督：デヴィッド・フィンチャー
出演：ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、
ステラン・スカルスガルド、スティーブン・バーコフ、ロビン・ライト、ヨリ
ック・バン・バーヘニンゲン、ジョエリー・リチャードソン
＊TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://www.dragontattoo.jp/
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＜ストーリー＞
スウェーデンの雑誌『ミレニアム』を発行するジャーナリストのミカエル（ダ
ニエル・クレイグ）は、名誉毀損裁判で敗訴し窮地に陥っていた。そんな時、
国内有数の企業グループの元会長ヘンリック・ヴァンゲル（クリストファー・
プラマー）から、40年前に起きた一族の少女ハリエットの失踪事件の調査を依
頼される。やがてミカエルは背中にドラゴンタトゥーをした天才ハッカーのリ
スベット（ルーニー・マーラ）を紹介され、協力して真相に迫るのだが……。
＜レビュー＞
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オリジナルのスウェーデン映画同様、ヒロインの魅力が炸裂
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スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーを映画化したスウェーデン映画
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』（2009）を、『セブン』『ソーシャ
ル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督がハリウッドリメイクし
た作品。こういうリメイクパターンは、どうしようもない映画も多いのですが、
この映画はオリジナルと同程度によく出来ています。
名誉毀損で窮地に追い込まれたジャーナリストが富豪から依頼され、40年前の
少女失踪事件の謎を追う。その過程で、天才ハッカーの女を紹介され協力して
調査を進める。すると、そこにはおぞましい一族の秘密が……。
というわけで、ストーリー自体は別に珍しくもありません。なんだか「犬神家
の一族」のような雰囲気もあるお話。一族の怪しい人間が次々に出てきて、謎
が深まっていきます。
その中で際立つのが、天才女ハッカー・リスベットの存在。背中にドラゴンの
タトゥーをして全身ピアスのパンクファッション。過去には心に大きな傷を負
い孤独を抱えています。その不幸な生い立ちから後見人にいたぶられますが、
最後は毅然として反撃し逆に彼をいたぶります。
そんな彼女をいかに魅力的に見せられるかが、この映画のポイント。オリジナ
ルでは、ノオミ・ラパスが「ここまでやるか！」と思えるようなぶち切れた演
技を披露。本作のルーニー・マーラも、それに負けず劣らず渾身の演技を披露
して、ドラマを盛り上げています。
フィンチャー監督らしさも十分に発揮。レッド・ツェッペリンの「移民の歌」
のカバーソングをバックにしたぶっ飛んだオープニングタイトルを皮切りに、
テンポにあふれた演出が冴え渡ります。オリジナルの特徴のひとつだった寒々
しいスウェーデンの風景も、独特の映像美で捉えられています。
前半は、主人公のジャーナリスト・ミカエルとリスベットを交互に描写。中盤
以降、２人が協力して調査を進行。そして、ついに浮かび上がる真相……。
事件の真相そのものは、よくあるパターンだし、すでにオリジナル版を観た人
にはミエミエ。それでも、その後にリスベットによる大芝居をテンポよく描き、
彼女の心の微妙な変化を見せる展開は正解。そうです！この映画はリスベット
の映画なのです。
オリジナル版との違いといえば、３部作を前提にして、リスベットの心の傷を
映像で示唆的に描いたオリジナル版に対して、本作はセリフのみで語らせてい
る点でしょうか。とはいえ、この映画がヒットすれば続編もありそうですが。
オリジナル版を超えるまではいかないものの、匹敵する面白さを持つ映画。特
にオリジナル版を観ていない方にはオススメです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年2月10日（金）新宿ピカデリーにて。午後2時の回
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