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ドライヴ（DRIVE）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間40分）
監督：ニコラス・ウィンディング・レフン
出演：ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クランスト
ン、クリスティナ・ヘンドリックス、ロン・パールマン、オスカー・アイザッ
ク、アルバート・ブルックス
＊新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://drive-movie.jp/
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＜ストーリー＞
自動車修理工場で働きながら、映画のカースタントマンとして活躍。一方、夜
には強盗の逃走を手助けする闇の仕事も請け負う男（ライアン・ゴズリング）。
ある日、同じアパートに暮らす人妻アイリーン（キャリー・マリガン）とエレ
ベーターで遭遇し、好意を持つ。まもなく刑務所から出所してきた彼女の夫が、
多額の借金が原因で強盗を強要される。男はアイリーンと彼女の子供を守るた
めに強盗の手助けを引き受けるのだが……。
＜レビュー＞
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ハードボイルド小説のようなクールでスタイリッシュな犯罪映画
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アメリカの犯罪モノの映画といえば、どうしてもド派手なアクション映画にな
りがち。しかし、この映画はフレンチノワールとも共通する、ダークでクール
でスタイリッシュな作品です。
自動車修理工＆映画のカースタントマンとして働くかたわら、強盗の逃走を手
助けする主人公のドライバーの男。ある日、同じアパートの子連れの人妻と知
り合い好意を持つ。まもなくその夫が刑務所から出所。しかし、多額の借金が
原因で強盗を強要される。主人公の男は、人妻とその子供への同情から夫の強
盗を手助けするのだが……。
映画の冒頭はいきなり強盗シーン。しかし、犯行そのものは映しません。犯人
たちの逃走をサポートする主人公に焦点を当てて、抑制的に彼の姿を描写しま
す。カーチェイスなどもあるけれど仰々しさとは無縁です。
主人公の背景などの説明は一切なし。しかも、彼が寡黙という設定なので、セ
リフも必要最小限になっています。しかし、それでも多くのことが伝わってき
ます。
寡黙なのに加え、当初は表情もあまり変化しない主人公。まさにクールそのも
のです。しかし、偶然知り合った人妻と子供と親しくなる中で、控えめに笑顔
を見せ始めます。さらに後半になって思わぬことが起きると、それまで見せな
かった激しい怒りを爆発させます。そんな微妙な変化のサジ加減が絶妙です。
監督は、デンマーク出身の新鋭ニコラス・ウィンディング・レフン。この作品
でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞。その才能を十分に感じさせる演出です。
独特のタッチを持つ映像も印象的。
そして、主人公役を演じたのは、『きみに読む物語』『ブルーバレンタイン』
のライアン・ゴズリング。セリフ以外の部分での細かな表現が見事。こちらも
才能を感じさせます。人妻役のキャリー・マリガンの哀愁を感じさせる演技も
見もの。
ストーリー展開自体は、それほど珍しいものではありません。しかし、話が進
むにつれて緊張感がどんどん高まり、スクリーンから目が離せません。激しい
カーアクションと夜の海のシーン。そして主人公の最後の対決。効果的なシー
ンのつなぎ方によって余韻を残したまま、エンディングへと突入します。
ド派手なハリウッドアクションとは、ひと味もふた味も違う犯罪映画。ハード
ボイルド小説のような味わいを持った作品で、この手の映画が好きな方は必見
です！
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年4月1日（日）シネ・リーブル池袋にて。午後3時の回
[「と」のページ] |
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