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ファミリー・ツリー（THE DESCENDANTS）
（2011年 アメリカ）（上映時間1時間55分）
監督・脚本・製作：アレクサンダー・ペイン
出演：ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー、アマラ・ミラー、
ニック・クラウス、ボー・ブリッジス、ロバート・フォスター、ジュディ・グ
リア、マシュー・リラード、メアリー・バードソング、ロブ・ヒューベル、パ
トリシア・ヘイスティ
＊TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/familytree/
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＜ストーリー＞
ハワイ・オアフ島に住む弁護士のマット・キング（ジョージ・クルーニー）。
妻のエリザベスがボート事故で意識不明の昏睡状態となり、家庭のことを妻に
任せきりだったマットは、10歳になる次女スコッティとどう接していいかわか
らず戸惑っていた。全寮制の高校に通う長女アレックスを呼び寄せるが、彼女
は「ママは浮気していた」とショッキングな事実を告げる。一方、マットは先
祖から受け継いだカウアイ島の広大な土地の売却問題も抱えていた……。
＜レビュー＞
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ネタは深刻だがユーモラスで温かな父と娘の再生物語
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ハワイを舞台にした家族のドラマ。バラバラだった父と娘が、母親の事故をき
っかけに再生に踏み出すまでを描きます。
ハワイといえば楽園というイメージがありますが、それを皮肉るような味のあ
るオープニングが印象的。主人公はオアフ島の弁護士マット。ある日、妻が
ボート事故で意識不明になります。仕事ひと筋で家庭を省みなかった彼は、10
歳の次女との接し方がわからず四苦八苦。全寮制の高校に通っていた長女を呼
び戻すものの、彼女も反抗的な態度。しかも、「ママは浮気していた」という
衝撃的な事実が彼女の口から告げられて……。
妻の事故で混乱する主人公に追い討ちをかける妻の不倫話。マットは長女とと
もに不倫相手を探します。その正体は早くにわかりますが、マットとの御対面
は後半。彼らがカウアイ島に渡ってからのことです。そこでの出来事は意外な
もの。人生の苦さを感じさせます。
マットは苦悩するだけでなく、決断を求められています。1つは妻の生命維持装
置をはずすかどうか。もう1つは先祖代々の土地を売却するかどうか。はたして、
その決断は？
ネタはシリアスながら、けっして深刻ぶらずに、ユーモアをまぶしたコメディ
タッチで描いているのがこの映画の魅力。それによって押し付けがましさのな
い、自然なドラマに仕上がっています（長女のボーイフレンドが良い味付け）。
ちょっとしたセリフやしぐさから、人物の様々な心情をあぶりだし、マットや
娘たちの心理を多面的に描いているのも特徴。最初はギクシャクしていた父と
娘が、様々な出来事を通して絆を深めるようすが、無理なく説得力を持って語
られます。
『サイドウェイ』で、カリフォルニアの魅力を十分に生かしたアレクサン
ダー・ペイン監督らしく、今回もハワイの土地柄を巧みにドラマに織り込みま
す。ハワイ音楽、美しい自然などがとても魅力的に描かれています。
結末近くで、マットは土地の売却話に結論を出します。このエピソードがバッ
クボーンとなって、終幕へ向かっていきます。病院でのつらいシーン、海での
別れのシーン、そしてラストの自宅での父と娘の何気ないシーン。最後は温か
な感動が胸にしみます。
ダメダメな父親を演じた主演のジョージ・クルーニーの豊かな感情表現に加え、
長女役のシャイリーン・ウッドリーの思春期らしい繊細な演技も魅力。ひょっ
としたら将来スターになるかも！？
深刻なテーマをユーモアを交えて描き、人生の複雑さと素晴らしさを描き出し
た映画。観終わって温かな余韻に浸れます。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★★☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年5月19日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後5時15分の回
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