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グッモーエビアン！
（2012年 日本）（上映時間1時間46分）
監督：山本透
出演：麻生久美子、大泉洋、三吉彩花、能年玲奈、竹村哲、MAH、塚地武雅、小
池栄子、土屋アンナ
＊テアトル新宿ほかにて全国公開
ホームページ http://gme-movie.com/
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＜ストーリー＞
母のアキ（麻生久美子）と暮らす中学生のハツキ（三吉彩花）。アキは、17歳
でハツキを生んだ元パンクバンドのギタリスト。かつてアキと同じバンドの
ボーカルだったヤグ（大泉洋）も一緒に暮らしていたが、２年前から"世界ツ
アーに出る"と宣言して不在だった。まもなくヤグは帰国し、すっかり上機嫌の
アキ。だが、お気楽すぎる２人の姿に、ハツキはついイラついてしまう……。
＜レビュー＞
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設定はぶっ飛んでいるものの、中身は直球一本やりの感動の家族ドラマ
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タイトルの「グッモーエビアン！」とは、「グッドモーニング・エブリワン」
のことのようです。
中3の娘ハツキの目で語られる家族のドラマ。元パンクロッカーの母アキと、血
のつながらない自由気ままな父ヤグという型破りな両親。放浪の旅に海外へ出
ていたヤグが帰国。そして再び始まるお気楽すぎる暮らし。そんな両親に振り
回されてイラつくハツキ……。
元パンクロッカーの母と、血のつながらない父親（こっちも同じバンドのボー
カルだった）というぶっ飛んだ設定。ロックミュージシャンの名言などロック
ネタもあちこちに登場。とはいえ、実際は正攻法の家族ドラマです。
そもそも登場人物自体が、ごくまっとう。ロッカーを気取るヤグですが、ただ
お気楽なだけで根はいい人。何だかフーテンの寅さん的な側面も見えたりしま
す。その相手のアキも「ロックじゃないね」と言いつつ、ちゃんと社会に適応
しています。そもそもこの2人、父親ではないハツキを身ごもっていた17歳のア
キに、15歳のヤグが結婚を申し込むという純愛まっしぐらの過去を持っている
のです。
そんな2人に娘のハツキがいくら反発しても、それはただの思春期の反抗。それ
以上のものではありません。
「家族の愛とは血のつながりや形式よりも愛情」というテーマもごくありがち。
脚本といい演出といい、これといったヒネリもありません。
しかし、それが逆にこのドラマの魅力。変化球投手だと思ったら、ストレート
勝負の連続であっけにとられているうちに完封されちゃった……みたいな感じ
でしょうか。普遍的で誰もが楽しめて感動できるドラマになっています。
特に後半は、ハツキと親友の別れをめぐるエピソード、アキがハツキに明かす
ハグの秘密、ハツキの命名に関するエピソードなど、泣かせどころが満載。こ
の波状攻撃には素直に感動させられてしまいました。ハイ。
もちろん笑いどころもたっぷりです。
父母役は、大泉洋と麻生久美子。麻生のギタリスト姿も見もの。娘役の三吉彩
花に加え、その親友役の能年玲奈の初々しさが印象的。
ラストはバンドのライブシーン。これもどっかで見たシーンですが、素直に感
動できるのは間違いなし。気分よく映画館を出いた方はぜひ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2012年12月21日（金）テアトル新宿にて。午前11時50分の回
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