アイアン・スカイ(IRON SKY)


(2012年 フィンランド・ドイツ・オーストラリア)(上映時間1時間33分)
監督:ティモ・ヴオレンソラ
出演:ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、クリストファー・カービイ、
ペータ・サージェント、ステファニー・ポール、ティロ・プリュックナー、マ
イケル・カレン、ウド・キア
*TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://gacchi.jp/movies/iron-sky/
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<ストーリー>
2018年、再選を目指すアメリカ大統領は、人気取りのために黒人モデルのワシ
ントン(クリストファー・カービイ)を月の裏側へ送り込む。だが、そこには、
第2次世界大戦後に連合軍の追跡を逃れ、月へ逃亡したナチスの残党によって築
かれた第四帝国の秘密基地があった。彼らは軍備を増強し、地球侵略の機会を
窺っていた。そんな彼らにワシントンは捕らえられてしまうのだが……。

<レビュー>
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オバカでブラックな笑いに満ちたSFアクション&コメディ
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いかにも正統派のSF映画っぽく、月面着陸の模様が描かれるオープニング。
ところが、まもなく明らかになるこの映画の正体……。

月に送り込まれた宇宙飛行士が、月の裏側で見たものは、1945年に地球を逃れ
たナチスの残党が築いた第四帝国の秘密基地。宇宙飛行士は彼らに捕まってし
まう。復讐の機会を狙っていた彼らは、宇宙飛行士をガイド役に地球侵略に乗
り出す……。

というわけで、どう見ても荒唐無稽な話です。それを承知の上で、堂々とオバ
カに徹しているところがこの映画の素晴らしさ。「モンティ・パイソン」ばり
のくだらない笑いの連続。あまりのバカバカしさに全編笑いっぱなしでした。

まず月に送り込まれたのが、再選を目指すアメリカ大統領が人気取りのために
起用した黒人モデルだというのが笑えます。しかも、彼は黒人を軽蔑する第四
帝国の科学者によって、白人化されてしまうのです。

そんな彼を捕らえてガイド役にするのは第四帝国の親衛隊長。ひそかに総統の
座を狙う彼は、ある目的を持って地球へ乗り込みます。それを利用するのが女
性のアメリカ大統領。親衛隊長を選挙参謀に起用して、ナチスの思想を、その
まま選挙戦の演説草稿にするなんて、オバカを通り越してかなりのブラックさ。

おまけに第四帝国が地球を攻めてきたら、大統領は「これで選挙に勝てる」と
大喜び。国連の他の国も、条約に違反して宇宙で武力を使い放題!(日本を除
く)

エロくて過激なアメリカの女参謀、親衛隊長の婚約者で地球で心変わりする女
性なども大活躍。

第四帝国の人々が、国歌がかかると条件反射的に姿勢を正して敬礼したり、チ
ャップリンの『独裁者』を短編映画に編集して、独裁者賛美の映画に変えたり
……。とにかく、いろんなネタがテンコ盛りで、とても紹介しきれません。

オバカ映画とはいえ、アクションもちゃんとしています。CGを使った宇宙戦
争はなかなかの迫力。第四帝国の基地なども本格的です。

<結論>オバカな笑いが満載のSFアクション。こういう映画にこんなにお金
と手間をかけるなんて、ある意味、スゴイことかもしれません。有名俳優も出
ていないのに、けっこうな規模で配給した配給会社にも拍手。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(85点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2012年9月30日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時15分の回


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