キリング・フィールズ 失踪地帯(TEXAS KILLING FIELDS)


(2011年 アメリカ)(上映時間1時間45分)
監督:アミ・カナーン・マン
出演:サム・ワーシントン、ジェフリー・ディーン・モーガン、ジェシカ・チ
ャステイン、クロエ・グレース・モレッツ、ジェイソン・クラーク、アナベ
ス・ギッシュ、シェリル・リー、スティーヴン・グレアム、ジェームズ・ヘ
バート
* ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開
ホームページ http://killingfields.jp/
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<ストーリー>
テキサス州テキサスシティの一角にある"キリング・フィールズ"と呼ばれる湿
地帯は、犯罪が多発する危険地帯だった。そんな場所で刑事マイク(サム・
ワーシントン)は、ニューヨークから転属してきた相棒のブライアン(ジェフ
リー・ディーン・モーガン)とともに、連続少女失踪事件の捜査に当たってい
た。その矢先に、ブライアンが気にかけていた心に傷を負った少女リトル・ア
ン(クロエ・グレース・モレッツ)が行方不明になってしまう……。

<レビュー>
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父親にそっくり。マイケル・マンの娘による犯罪サスペンス
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テキサスに実在する犯罪多発地域で起きた実話をベースにした犯罪サスペンス。

そこは「キリング・フィールズ」と呼ばれる場所。これまでに多くの死体が発
見され、未解決事件の舞台となっています。

刑事のマイクとブライアンは、そんな危険な場所を含むテキサスシティという
町で捜査に当たっています。現在は、連続少女失踪事件の捜査中。しかし、捜
査が難航する中、ブライアンが気にかけていた不幸を背負った少女リトル・ア
ンが、何者かにさらわれ……。

実話ベースの話でもあり、事件の真相を追究する謎解きのネタは、それほど奇
抜なものではありません。怪しげな人物が何人か登場し、どうやら真犯人らし
き人物が浮上するものの、最後にはどんでん返しが起きるというパターン。

しかし、それを乾いたタッチでスリリングに描き出しているのが、この映画の
魅力。登場人物の顔などアップを多用し、緊張感を高めています。

舞台となるテキサスの風土、特にキリング・フィールドの不気味さは特筆もの。
売春、ドラッグ、暴力などが日常化している中で暮らす人々や、焦燥感や無力
感を抱えながらも捜査を続ける刑事たちの心理もよく出ています。

中心となるのは対照的な2人の刑事。ニューヨークから来たブライアンは、事
件解決に情熱を傾け越境捜査もためらいません。それを止めるマイクは叩き上
げの刑事で、私生活では同じ刑事のパムと離婚しています。このパムも捜査に
関わることから、3人の間で複雑な関係性が生まれます。

事件の顛末に加え、そうした人々のドラマも織り込まれます。失踪事件に巻き
込まれる少女リトル・アンの心の傷なども適度に描かれます。それらをクドク
ドと説明せずに、事件捜査の中でチラリと見せていきます(説明がなさ過ぎて
すぐには理解できないところもありますが)。

監督はこれが長編デビューとなるアミ・カナーン・マン。とはいえ、彼女はあ
のマイケル・マン監督(『ヒート』『コラテラル』など)の娘。父ちゃんが製
作を務めているせいか、何だか作品のタッチが似ています。まるでベテラン監
督のような腕前です。

役者では、『アバター』のサム・ワーシントンと『ウォッチメン』のジェフ
リー・ディーン・モーガンという2人の刑事役がいい味を出しています。失踪
する少女役のクロエ・グレース・モレッツ(『キック・アス』『モールス』)
のロリータ的魅力も健在。さらに女刑事役では最近売れっ子のジェシカ・チャ
ステイン(『テイク・シェルター』『ヘルプ 心をつなぐ物語』)も登場。

父ちゃん譲りのヒリヒリするような緊張感を生み出したアミ・カナーン・マン
監督。犯罪サスペンス好きなら十分に観る価値のある映画でしょう。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2012年2月16日(木)池袋HUMAXシネマズ4にて。午後4時15分の回



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