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麒麟の翼 劇場版・新参者
（2011年 日本）（上映時間2時間9分）
監督：土井裕泰
出演：阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、菅田将暉、山崎賢人、柄本時
生、竹富聖花、聖也、黒木メイサ、向井理、山崎努、三浦貴大、劇団ひとり、
秋山菜津子、鶴見辰吾、 松重豊、田中麗奈、中井貴一、北見敏之、相築あきこ
＊ＴＯＨＯシネマズ日劇ほかにて公開
ホームページ http://shinzanmono-movie.jp/
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＜ストーリー＞
日本橋の翼のある麒麟像の下で青柳武明（中井貴一）の刺殺体が発見される。
彼は腹部を刺されながら８分間も歩き続けたらしい。まもなく、八島冬樹とい
う若者が事故死し、警察は彼の犯行だと考える。だが、日本橋署の刑事・加賀
恭一郎（阿部寛）は青柳の行動に疑問を持ち、コンビを組む松宮脩平（溝端淳
平）とともに独自の捜査を進めていく……。
＜レビュー＞
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東野圭吾原作の人気ＴＶドラマの映画化。無難にまとめてはいるものの・・・
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ＴＶドラマ『新参者』で人気となった東野圭吾原作の加賀恭一郎シリーズ「麒
麟の翼」を映画化。
日本橋の麒麟像の下で刺殺体が発見され、間もなく容疑者が浮かび上がるもの
の、疑問を持った主人公の刑事・加賀が謎を追ううちに、意外な事実に突き当
たるというお話。
ＴＶドラマ版は、人形町を中心とした日本橋界隈を舞台に、とらえどころのな
いユニークな個性の加賀が事件の謎を解くドラマ。今回の映画版も舞台は日本
橋。発端となる殺人事件は日本橋の麒麟像で始まり、日本橋七福神も大きな鍵
を握ります。
ただし、ＴＶ版が毎回疑わしき人物が入れ替わり、それにまつわる怪しい人物
が登場するのに対して、映画版は容疑者が固定されたまま。最初に八島という
若者が容疑者とされ、彼と被害者の周辺を探るドラマがずっと続きます。八島
が真犯人でないのは最初からミエミエなのに、その容疑が晴れるのは何と1時間
以上も経ってから。
この構成は個人的にはとてもダルくて、途中で飽きてしまいました。派遣切り
や加熱するマスコミ報道など、現代の社会問題を織り込んではいるものの、い
くらなんでものんびりしすぎではないでしょうか。緊迫感はほとんど感じられ
ませんでした。
後半になって、ようやく大きく展開が動き、ミステリー的な面白さも加速され
ます。しかし、それもまもなく親子の情愛など紋切り型のドラマに突入。強引
に感動へと観客を導こうとします。そこでの加賀のお説教臭さも鼻につきます。
きるでＴＶ版とは違う人物みたい。ああいう事件の顛末なら、もう少し緊張感
あるドラマに仕上げてほしかったのですが……。
よくよく考えれば、都合よすぎだったり無理な展開が多いのも気になりました。
ＴＶ版を見ていない人には理解しにくいところが多いのも問題です。加賀と父
親との関係など映画だけではよくわからないし、黒木メイサの人物像なども中
途半端。
無難にまとめてはいるものの、ミステリー的にも、人間ドラマ的にも物足りな
く感じられました。大スクリーンで観るほどの映像的な趣向もないので、わざ
わざ劇場で観る必要はないのでは？
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2012年2月16日（木）池袋ＨＵＭＡＸシネマズ4にて。午後4時15分の回
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