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恋のロンドン狂騒曲（YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER）
（2010年 アメリカ・スペイン）（上映時間1時間38分）
監督・脚本：ウディ・アレン
出演：アントニオ・バンデラス、ロジャー・アシュトン＝グリフィス、ジョシ
ュ・ブローリン、ポーリーン・コリンズ、アンソニー・ホプキンス、ジェマ・
ジョーンズ、フリーダ・ピント、ルーシー・パンチ、ナオミ・ワッツ
＊TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほかにて全国公開
ホームページ http://koino-london.jp/
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＜ストーリー＞
ある日突然、死の恐怖にとらわれたアルフィ（アンソニー・ホプキンス）は、
若返りの特訓に励み、妻のヘレナ（ジェマ・ジョーンズ）を捨ててコールガー
ルを恋人にする。それにショックを受けたヘレナは、怪しげな占い師にハマっ
てしまう。一方、彼らの一人娘サリー（ナオミ・ワッツ）は、一発屋の作家の
夫ロイ（ジョシュ・ブローリン）と険悪な仲に。ギャラリーで働き始めた彼女
はオーナーのグレッグ（アントニオ・バンデラス）の虜になってしまう。それ
に対して自宅で過ごすロイも、向かいのアパートに住む美女ディア（フリー
ダ・ピント）に夢中になっていくのだが……。
＜レビュー＞
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面白くてちょっぴり悲しいウディ・アレン流ラブコメ
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『ミッドナイト・イン・パリ』でパリを舞台にしたウディ・アレン監督が、今
度はロンドンに舞台を移して……と思ったら、製作はこちらの方が先だそうで
す。
ジャズ音楽の流れるクラシカルなオープニングタイトルから、いつものウデ
ィ・アレン節が全開です。シニカルなセリフとナレーションの連発、テンポの
良い映像なども、いつものアレン作品と同じ。
そして、どんなにアクの強い役者もウディ・アレンの世界では彼の色に染まり
ます。今回もアントニオ・バンデラス、ジョシュ・ブローリン、アンソニー・
ホプキンス、ナオミ・ワッツなど名だたる個性派や演技派が、いつもとはひと
味違う顔を見せています。
まあ、話自体はただのラブコメなんですけどね。しかし、2組の老夫婦＆中年夫
婦の恋愛のあれこれをユーモラスに描いて、最後には人生の悲哀もちょっぴり
感じさせるあたりは、さすがにアレン監督です。
40年も連れ添った妻と離婚して、娘より年下のコールガールと結婚する父親。
そのショックから怪しげな占い師にはまる母親。彼らの娘は一発屋の作家の夫
と険悪な仲で、勤務先のギャラリーのオーナーにお熱。それに対して夫も向か
いの部屋の美女にご執心。
結婚生活が破綻して新しい恋に振り回される男女のスッタモンダは、一見オバ
カでアホアホ。ただのドタバタになりそうな話ですが、それをちゃんとまとめ
てしまうからエライもの。脚本・演出とも、いい感じで肩の力が抜けていて、
見ているこちらも楽しくなってしまいます。
一発屋の作家のヤバい行動や、父親とコールガールの複雑化する関係など、登
場人物たちのその後に含みを持たせるエンディングも面白かったです。
傑作というわけではないけれど、アレン監督らしい一作で十分に楽しめます。
豪華な俳優たちが困った恋に右往左往する姿を見るだけでも、モトは取れそう
な映画です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（85点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2012年12月10日（月）TOHOシネマズ シャンテにて。午後12時45分の回
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